追悼・三輪勝恵さん 幅の広い演技で昭和アニメに命を吹き込む
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1193回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
2024年7月1日、声優の三輪勝恵さんが6月19日に逝去されていたことが発表されました。 増山江威子さんにTARAKOさん、松野太紀さんと、昭和・平成のアニメ文化を支えた人気声優の方々の訃報が相次ぎ、アニメファンのみならず、日本国民が悲しみに包まれている昨今。またひとり、三輪勝恵さんという昭和を代表する声優が旅立ってしまったことに、驚きを隠せない人も多いことでしょう。 そこで今回は、声優・三輪勝恵さんをクローズアップ。私、八雲ふみねも大好きだった三輪さんの代表作「パーマン」を中心に、昭和アニメが令和にもたらす影響力にも迫ります。
元気な少年少女から老婆まで、幅広い演技で昭和のアニメキャラクターに命を吹き込む
耳なじみの良いキュートな声が印象的で、多くの人に愛された三輪勝恵さん。幼い頃は児童劇団に所属し、子役として活躍。国民的幼児番組「おかあさんといっしょ」の初代ぬいぐるみ人形劇「ブーフーウー」では、子ぶた三兄弟の次男・フーの声を演じたことでも知られています。 その後、声優として様々なアニメキャラクターの声を担当。「あさりちゃん」では、元気いっぱいのおてんば少女・浜野あさり。「オバケのQ太郎」では、Q太郎の相棒的少年・大原正太。卵の殻をかぶった姿が愛らしい小さなひよこ「カリメロ」のカリメロ役や、鳴き声が特徴的な「ウッドペッカー」のウッドペッカーなど、列挙するとキリがないほど。 そうそう、「じゃりん子チエ」で演じた、チエの親友・平山ヒラメ役も忘れられません。エピソードによっては、ヒラメちゃんが中心人物に据えられることもあり、その愛嬌ある声と演技に魅了されたものです。 そんな中で、三輪勝恵さんの代表作と言えば、やはり「パーマン」です。