カツオの街のシンボルだったのに…台風10号で傾いた6トンの看板「きばらん海」撤去 再建予定なく枕崎市民ら惜しむ
台風10号の強風で傾いた鹿児島県枕崎市松之尾町の市水産センター屋上の「きばらん海」の看板が10日、撤去された。枕崎漁港内港の対岸にあり長年、市民や観光客らに親しまれてきた。今のところ再建の予定はなく、惜しむ声が上がっている。 【写真】台風で傾く前の「きばらん海」の看板。枕崎のシンボルとして親しまれた
看板は1993年、カツオの街のシンボル塔として枕崎市漁協が設置した。8メートル四方、高さ7メートルの4面看板に躍動感のある文字が躍り、中に強化プラスチック製のカツオのモニュメントが2体跳ねている。 台風が通過した8月29日朝、看板全体が西側に傾いているのが見つかった。最大瞬間風速51.5メートルを記録した同市。漁港一帯は特に東の風が強かったという。漁協では台風シーズンが続くことから撤去を急いだ。看板部分は廃棄する。 看板とモニュメントは総重量約6トンもあり、大型クレーンのアームがしなるほど。慎重にバランスを取りながら地上に降ろされると、見守った職員らが「近くで見るとやはり大きい」と声を上げていた。 漁協の俵積田謙三総務部長(48)は「安全のため、早急に屋上から撤去する必要があった。長年親しまれてきたが、今後どうするかはまだ分からない」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島