サーブレシーブに挑戦するサニブラウン・ハキーム選手＝9日午前、三島市の東レ体育館

　陸上男子短距離の東京、パリ両五輪日本代表のサニブラウン・ハキーム選手（25）が、三島市の東レ体育館を訪れ、同市を拠点に活動するバレーボールSVリーグ男子・東レアローズ静岡の選手と交流した。サーブ体験時には追加で1本を求めるなどアスリート魂に火がつく場面も。筋力トレーニングの頻度や方法について意見交換し、異競技の選手から刺激を受けた。 　サニブラウン選手はマシンを使った時速70～80キロのサーブレシーブに挑戦した。1本目は「怖さがあった」というが、2本目からは見事にレシーブ。最後の3本目は納得がいかず、4本目を要求した。徐々にボールの勢いを吸収して返球する順応ぶりに、東レの選手からも「すごい」と歓声が上がった。体験後には「スリッパじゃなかったらもっと速い球も受けられた」と負けん気ものぞかせた。 　東レの西本圭吾選手らの案内でトレーニング施設も見学し、競技による鍛え方の違いなどについてやりとり。今後の交流に話題が及び、西本選手が「もしかしたら30メートル走なら勝てるかも」と冗談交じりに言うと「さすがに負けないですね」と笑顔を見せた。 　サニブラウン選手が昨年5月に東レ所属となった縁で交流が実現。互いにインスタグラムのアカウントを交換した。同社の三島工場の見学にも出向き、社員とも交流した。 ■東レ静岡・西本選手「サニブラウン選手みたいな存在に」 　東レアローズ静岡の西本圭吾選手は、サニブラウン・ハキーム選手との交流を通じ「自分たちも他のスポーツ選手や団体から会いたいと思われ、影響を与えられる存在になっていかないといけない」との思いを強くした。11日に開幕するSVリーグへのモチベーションもアップ。新リーグの初代王者を目指し、決意を新たにした。 　世界で戦うトップ選手に「どういう姿勢でやっているか聞きたかった」とトレーニング方法について意見交換。海外の選手には、あえて筋力トレーニングをやらない選手もいると聞き、刺激を受けた。 　他競技とのさらなる交流にも興味津々。かつて野球に打ち込んだ経験から「140キロは出ると思う」と自信を見せ、プロ野球2軍ウエスタン・リーグのくふうハヤテの「プロテストを受けようかな」と冗談も。パリ五輪で熱中したフェンシングも気になるといい「フェンシングのまち」を掲げる沼津市での交流にも興味を見せた。 　新リーグ開幕に向け「口だけの夢や理想ではなくなっている」と、優勝を本気で目指すチームづくりができていると強調した。