【福島牝馬S】過去10回で全勝の前走GⅢ組が優勢 適距離のシンリョクカに注目
血統解説:シンリョクカ、タガノパッション
・シンリョクカ 日本での牝祖は祖母カーラパワー。母レイカーラがターコイズS勝ち、伯父にマイルCS勝ち馬ダノンシャークがおり、スピード性能が高いことがこのファミリーの特徴だ。本馬もその特徴を受け継ぎ、阪神JFで2着と実績を残している。その後はオークスやエリザベス女王杯、日経新春杯などを使っていたが、スピード十分な一族の馬と考えれば、本質的にはもう少し短い方が良いだろう。 本馬は父にサトノダイヤモンド、母父にキングカメハメハという組み合わせ。この一族でも他の馬に比べれば胴に長さがあって距離はもつが、持っているスピードを生かすことのできる福島芝1800mは適舞台と言えるだろう。 ・タガノパッション 日本での牝祖は5代母ロイヤルサッシュ。サッカーボーイ、ステイゴールド、ドリームパスポートなどを輩出している名牝系だ。本馬も叔父にJRA4勝のワイドリーザワン(父キングカメハメハ)などがいる。本馬は父がキングカメハメハ、母父シンボリクリスエスということもあって本格化に時間がかかったが、古馬になってから走りが安定し2走前は3勝クラスの身ながら愛知杯で2着に入った。 前走は強い競馬をしたが、今回はより機動力が求められる福島コース。パワーがあって上がりがかかるようなレースが得意な本馬にとって今の時計の速い福島はどうかという懸念があるものの、前走よりも前々のポジションを取ることができれば勝ち負けできるだろう。
Cアナライズではシンリョクカを推奨
今回はシンリョクカを推奨する。 前走の内容を考えればシンリョクカよりもタガノパッションが強い競馬をしていた。ただ、今回も差し馬にとっては難しい福島コースで、現状のトラックバイアスを考えると差し届かずの可能性も考えられる。好走データに合致し、コース適性や距離適性も合うシンリョクカに分があると見る。 【ライタープロフィール】 貴シンジ 競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
貴シンジ