巨人・内海哲也投手コーチが成長感じた2人の若手投手 フォーム見直し自己最多3勝右腕と「核」見つけた左腕
巨人の内海哲也投手コーチ(42)が19日、スポーツ報知のインタビューに応じ、現在の投手陣について語った。今季、5年ぶりに巨人に復帰。若さを生かし「現役の先輩ぐらい」という選手と近い距離感で指導を行う中で見えてきた若手投手陣の成長ぶりとは。また、自らも投手陣の一員として、日本一を目指す覚悟を明かした。(取材・構成=水上 智恵) 【動画】内海コーチが宝刀・チェンジアップ伝授 今季、5年ぶりに巨人に復帰した内海コーチは、「お兄ちゃん的存在」を目指し、選手との対話を大事にしている。 「現役の先輩ぐらいのつもりでコミュニケーションは意識しています。時には非情な宣告をしないといけない時があるかもしれない。その時に『内海さんと杉内さんが言うなら仕方ない』って思える関係性を築いていけたら」 成長を感じたのは堀田と井上だ。堀田は秋キャンプからマンツーマンで指導。井上も現役時代に自主トレをともに行った間柄だ。 「正直ここまでやってくれるとは思わなかった。春キャンプの時に『なんとか賢慎を1軍で行かせられないですか?』と杉内さんにお願いをして、その枠をつかんで、ここまで自分たちの頑張りで、できていると思うのでうれしいですね」 堀田は今季は中継ぎ登板を経て先発の座を勝ち取ると、ここまで自身最多となる3勝をマークした。現在は2軍で調整中だが、潜在能力の高さを感じていた。 「西武にいた時に賢慎が出てきて、とんでもない投手が入ってきたと思った。のちにエースになっていく存在になると楽しみだったんですけど、そこから伸びきらずにいて。僕が巨人に帰る時はこの子を絶対に見たい、と思っていましたね」 2人でフォームを見直し、体重移動を意識。オフも連絡を取り合い、二人三脚で練習に取り組んできた。 「一番はフォーム。体の使い方がいいように変わったな、というのはある。球速が出なくても持ち味のチェンジアップを使いながら投球はできていますが、ただ彼の魅力は直球。継続して150キロ台を計測するように、僕も試行錯誤しながらと思っています」 自身と同じ左の先発として井上にも期待がある。 「温大は素直でいろんな意見を聞いて手を出すので核となるものがなかった。いい時はいいけど、悪い時どうやって修正するか分からない。一つ決めた練習をやり続けた先に何か見える物がある。『一つやりきろう!』と話をしました」 制球力を安定させるため、通常の18・44メートルよりも短い15メートルでの投球練習を提案。2人でコツコツと取り組み、結果が出始めてきた。 「あの練習をやったから、って自信を持って投げられるようになることも大事だと思う。本人も納得して続けて結果も出てきた。コントロールさえあればある程度、試合もつくれる投手だし、チームを勝ちに導いていけるようになれると思う」 個々の能力だけではなく、投手陣のチームとしての強さも感じている。互いに助け合い、目指すは日本一だ。 「1年間終わって頑張ってきてよかったなって言い合えるのが目標。僕も投手陣の一員だと思っているので、最後終わって、みんなで日本一になって投手会でもやれるようになりたいですね」 巨人のエースとしてチームをけん引してきた左腕は、コーチになっても変わることのない熱い気持ちでチームを支えている。
報知新聞社