ドラフト当日はマウンド上で起床…「変わり者」の156キロ右腕が中日のキーマンに
通算273ホールドの育成出身左腕
育成入団からサクセスストーリーをつかんだリリーバーの代表例が、巨人の山口鉄也(現巨人二軍投手チーフコーチ)だ。育成枠で入団すると、プロ2年目の07年に支配下昇格。翌08年から日本記録となる9年連続60試合以上登板を果たし、最優秀中継ぎ投手を3度獲得した。球界で最も速く200ホールドを達成し、通算成績は642試合登板で52勝27敗29セーブ273ホールド、防御率2.34。18年限りで現役引退し、週刊ベースボールのインタビューで、こう語っている。 「1回ファームに落ちてしまうと忘れられてしまう。そこに新たな戦力が上がっていくわけで、その選手が良かったら自分が入るスキがなくなります。ずっとそういう危機感を持ってプレーしていて。ファームに落ちた理由はケガですけど、1回自分の居場所を手放してしまうと、なかなか取り返せない厳しい世界だなとあらためて感じました」 技術は当然だが、一軍で結果を残したいという執念がなければ長期間活躍できない。松山はその資質を兼ね備えている。来季の目標は「防御率0点台、160キロ、50試合登板」。すべて達成すれば、チームの成績も上がる。球界を代表するセットアッパーへ。23歳右腕は無限の可能性を秘めている。 写真=BBM
週刊ベースボール