フィリピン、南シナ海の環境破壊巡り中国の主張を否定
[マニラ 9日 ロイター] - フィリピンは9日、南シナ海のセカンド・トーマス礁(中国名・仁愛礁、フィリピン名・アユンギン礁)の同国軍艦が周辺に生息するサンゴの生態系に影響を及ぼしているとの中国側の主張を否定し、海洋環境破壊の責任は北京にあると指摘した。 中国自然資源省は8日、南シナ海のセカンド・トーマス礁にフィリピン軍艦が「違法」に座礁しており、周辺のサンゴ礁の生態系に「深刻なダメージ」を与えているとする報告書を公表した。 フィリピンの南シナ海に関する作業部会は、南シナ海のサンゴ礁被害の原因について独立した第三者による海洋科学的評価を求めた。 「サンゴに回復不能な損害を与えたのは中国であることが判明した。海洋環境に計り知れない損害を与え、自然の生息地と何千人ものフィリピン漁民の生活を危険にさらしたのは中国である」と指摘した。 フィリピンと中国は南シナ海で領有権を巡り争っている。フィリピンは1999年、海洋権益主張を強化するため意図的に軍艦をセカンド・トーマス礁に座礁させた。軍艦には兵士が駐留している。 フィリピンの特別調査チームは、「中国の専門家」による偽情報の流布や悪意ある影響力行使の試みについて警告し、南シナ海の複数海域で中国が「サンゴへの深刻な被害」を引き起こした証拠があると述べた。 フィリピンは昨年、南シナ海の排他的経済水域(EEZ)内で中国がサンゴ礁を破壊したとして、法的手段を模索していると表明した。中国政府はこれを「政治的ドラマを演出する」試みだと批判した。