【高校野球】“名門進学校”躍進の原動力 水戸一・小川永惺は「将来的に150キロを超えるポテンシャルがある」
「大先輩方と同じ道をたどりたい」
甲子園への思いが燃え上がったのは昨夏だ。従兄にあたる日大山形高・鈴木一槙三塁手の試合を一塁側アルプスで観戦した。「想像していたよりもデカい。ここでプレーしたいと強く思いました。自分も負けていられない」。 小川は「野球は高校がゴールだと思っていた」と明かすが、昨秋の結果により、高校卒業後もプレーを続行したい思いが芽生えている。 「第一志望は早稲田大学です。東京六大学、神宮球場で投げたい。飛田先生(早大初代監督)、石井連藏さん(早大元監督)と、大先輩方と同じ道をたどりたい。水戸一高のユニフォームもエンジが基調ですが、この色が好きなんです」 木村監督は「心身ともに伸びシロがある。将来的には、150キロを超えてくるだけのポテンシャルがある」と素材に太鼓判を押す。178センチの数字よりも、マウンド上では大きく見える。はにかんだ表情はドジャース・大谷翔平とそっくり。「以前からよく言われるんです。ものすごい選手。自分も良い方向に行けるよう、努力をし続けていきたいです」。 マウンドで心に誓うのは、同校OBで学生野球の父・飛田穂洲氏の「一球入魂」である。 「飛田先生が遺した言葉。水戸一高では大事にしています。『一球入魂』は個人個人、いろいろなところに当てはまる。目標は甲子園で勝つこと。センバツに選ばれたとしたら、ゲームに勝たないことには、自分たちの存在価値を証明できない。魂を込めて投げていく」 センバツ選考委員会の1月26日は、くしくも1965年に亡くなった飛田氏の命日である。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール