秋田県と岩手県にまたがる標高１６００メートルほどの八幡平では、真夏でも気温は２０度ほどで涼しく感じられる。 ３つのキーワードで「八幡平の恵みを体感する旅」を紹介する。 約１００万年前におきた火山の噴火で生まれた八幡平のエリアには様々な恵みがぎゅっと詰まっている。 ひとつめのキーワードは「大地の恵み」。 日本百名山のひとつにも数えられる八幡平はその名の通り平らでなだらかな大地。 真夏でも気温は２０度ほどだ。高原の散策は観光客にも人気で可憐な高山植物が迎えてくれる。 おいしい水が湧いているということでさらに足を延ばすと、この先は観光客も少なく静かな山歩き。４０分ほどで黒谷地湿原に到着する。 ここにあるのが天然の湧き水「熊の泉」。八幡平の雪解け水が染み出した「大地の恵み」だ。 三倉茉裕子アナウンサー 「冷たい！これが黒谷地湿原の水ですね。キンキンに冷えていておいしい。たくさん歩いたので体が癒される」 また、八幡平の展望台から車で５分、東北で一番高いところにある藤七温泉は、温泉成分が溶け込んだきめ細かい泥を体に塗る泥パックも楽しめる。 三倉茉裕子アナウンサー 「美肌効果があるということで私は顔に塗ります！なんだか気持ちいい。でもこれテレビ的に大丈夫でしょうか」 続いてのキーワードは「水の恵み」。 焼き肉店「ＦＡＢＩＯ」では、なんと魚も名物で、店主の高橋愛さんは「八幡平サーモンというニジマスがおすすめ」だという。 この地区で養殖されているニジマスは「八幡平サーモン」と呼ばれるブランド食材だ。 おいしさの秘訣は「湧き水」。環境省が選んだ名水百選の「金沢清水」を引いて育てている。 素材をしっかりと味わえる「八幡平サーモン」の刺身は、色鮮やかでつやがあり身がぷりっぷり。弾力があってほどよい脂身だ。高橋さんは「すがすがしい脂が特徴」だと話す。 おすすめのカルパッチョは、八幡平産のマッシュルームとサーモンをさっぱりとしたソースで。芳醇な香りとぷりぷりした食感がくせになる。 焼肉FABIO店主　高橋愛さん 「八幡平って大自然なので生産物が豊富。雪解け水が湧き出て八幡平サーモンもマッシュルームもその恩恵をたっぷり詰め込んだのがこのひと皿」 最後のキーワードは「火山の恵み」。 地熱蒸気染めの工房の近くにある「松川地熱発電所」からは、火山のマグマによって発生した蒸気が噴出している。 それを使って生み出されるのが独特のグラデーションが特徴の「八幡平地熱蒸気染め」だ。 染色デザイナーの高橋陽子さんに教わりながらスカーフを作る。 まずは「絞り」布を折りたたんで糸を巻き付ける。 そして「着色」７つの色を使って好きな順番にひたしていく。 三倉茉裕子アナウンサー 「緑をたくさん見てきたので緑系と空をイメージした青系にしたい」 漬ける時間や順番で色合いがかわるので世界にひとつだけの作品ができる。 三倉茉裕子アナウンサー 「最後までどういう模様になるのか、どういう色になるのかわからないのが楽しみ」 着色したら約９０度の地熱蒸気で２０分間蒸す。蒸気に含まれる成分によって色合いが変わる。 さて仕上がりは…？ 三倉茉裕子アナウンサーはグラデーションで八幡平の自然と空を表現した２種類のスカーフを作った。 火山の恵み地熱蒸気を使ったアートだ。 工房の隣にあるペンションでは、自慢の景色とコーヒーを楽しみながら、染めた布を釜で蒸している間、ゆっくりとした時間を過ごすことができる。 大地と水・そして火山、自然の恵みあふれる八幡平の食やアクティビティを！