再現度100％の菅田将暉“久能整”が愛されたワケ

田村由美による大ヒット漫画をドラマ＆映画化した「ミステリと言う勿れ」。 再現度100”％ と絶賛された主演・菅田将暉のビジュアルが話題になった。映画化もされ、菅田ファンだけでなく原作ファンからも評価を集めた同ドラマが、待望のBlu-ray＆DVD化となる(特別編2月21日[水]、映画版：3月8日[金]発売)。そこで連続ドラマから始まった版「ミステリと言う勿れ」の魅力について、改めて振り返る。 【写真】“原作そのまま”ビジュアルの完成度が話題になった菅田将暉“整” ■世の不条理を淡々と切る主人公 「ミステリと言う勿れ」は常に冷静沈着な大学生・久能整(くのう・ととのう)が巻き込まれながらも、さまざまな難事件を解決する姿を描くミステリー。ストーリーとは相反するタイトルがつけられているのには理由があり、原作者・田村の主張「ミステリじゃないです むり そんな難しいもの描けるもんか」が反映されているそうだ。題名が表す通り、原作はシリアスのなかにコミカルな展開も多々含まれている。 常に多弁な主人公・整の口癖は「僕は常々思うんですが」。気になることがあると相手構わず思ったことを話し出す性格で、警察が手を焼く事件や、返答に詰まるような何気ない会話のやりとりまで、あっという間に解きほぐしていく。 漫画のなかでフィクションとして描かれる事件のみならず、現実世界を生きる読者たちが思わず膝を打つ解答の数々によって、原作は瞬く間に反響を呼んだ。 とりわけユニークな点としては、整が「僕は探偵ではない」と言っていること。物事の本質を見抜く力が強い整は役回りこそ探偵そのものだが、彼はあくまで“気になることに首をつっこんでしまう”という変わり者なのだ。それが個人の悩みであれ、偶発的・計画的を問わない犯罪であれ、淡々とした彼の弁舌が問題を解決に導くのは“正義”のためではない。 淡々とした物言いで矛盾を突き、いつの間にやら謎が明らかになっていく流れはまるで魔法のようだ。いままでとは少し違う“謎解き役”の在り方は、多くの人をトリコにした。 ■菅田将暉が100%の力で演じきった連続ドラマ 連続ドラマが放送されたのは2022年1月から3月。主演を務めたのは菅田将暉。流れる水の如く淡々とあらゆる謎を解き、壁を打ち砕いていく久能整を完璧なまでに演じきった。話題を集めたのは、「原作そのまんま」と言われるほどのビジュアル再現度。ふわっふわの天然パーマにとぼけたような表情、抑揚は少ないながら聞き入ってしまう話し方まで、原作ファンもうなる菅田の“原作愛”が話題を呼んだ。 脇を固めるのは伊藤沙莉、尾上松也、筒井道隆、永山瑛太、白石麻衣といった豪華なメンバー。再現度100%の菅田将暉に負けず劣らずの名演を見せつけ、同じく高い評価を得ている。 そんな原作ファンも太鼓判を押した実写連続ドラマ版「ミステリと言う勿れ」。好評の末、2023年9月にまず特別編が放送。ドラマのepisode1の新撮リブートと原作コミックス11巻で描かれている通称“タイムカプセル編”で構成。日当1万円の怪しいバイトに参加した整と相良レン(志尊淳)が、主催者から依頼された“タイムカプセル探し”に奔走する…というストーリーだ。 「特別編」に続いては、待望の映画が公開された。映画の舞台は、原作でも人気のある“広島編”。広島を訪れた整が、遺産を巡る争いで死者さえ出るといういわく付きの名家・狩集家の遺産相続事件に巻き込まれていくさまを描いている。 狩集家遺産相続者は全部で4人。整を狩集家の遺産相続事件に巻き込んでいく狩集汐路役を原菜乃華、臨床検査技師の狩集理紀之助役を町田啓太、ヤンチャな性格だが根は真面目な波々壁新音役を萩原利久、一人娘を持つ専業主婦・赤峰ゆら役を柴咲コウ。そして、狩集家お付きの弁護士の孫で、汐路の初恋の人、車坂朝晴を松下洸平が演じた。 常に舌鋒鋭く謎を解いてきた整だが、この4人は整の話に聞く耳を持たない。話の通じない相手に整がどう挑んでいくのか、そして難解な遺言「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」をどのように解くのかが見ものだ。 そんな映画版のBlu-rayとDVDが3月8日(金)にリリース。特典ディスクには公開記念特番「菅田将暉のラジオと言う勿れ」完全版、メイキング～豪華出演者オフショット&インタビュー～、イベント映像集、予告編集、CM集、60秒特別映像、公開直前スペシャルCMが収められる。また、「特別編」のBlu-ray＆DVDも好評発売中だ。 再現度100%と絶賛された整のビジュアルを含め、歴代でも屈指の人気を誇った「ミステリと言う勿れ」。原作はまだ完結していないこともあり、今後のメディアミックス展開にも期待したいところだ。