今年1番泣ける映画 何度も見たくなる/映画評『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』
今年1番、泣ける映画だった。試写会には、2度、足を運んだ。1回目よりも2回目のほうが心に突き刺さっている。おそらく、見るたびに、違った印象になり、感動を与えてくれるだろう。主人公のミア(クロエ・グレース・モレッツ)の美しさにも惹きつけられるが、彼女を取り巻く家族、恋人、友人たち、その全てに温かさがにじみ出ている。米People誌が「心に刺さる素晴らしい映画だ!」と評価しているそうだが、本当に心に突き刺さる作品だった。観賞後、思い出すたびにジワジワくる。 この作品のターゲットは、高校生以上の全ての人だろう。ピュアに彼氏、彼女を思い、ときにわがままに、ときに自分のこと以上に相手のことを思った経験があったり、子どもを授かり、我が子のためにすべてを犠牲にしてでも応援しようと思った経験があったり、孫娘を持ち、愛情を精一杯かたむけた経験があれば、さまざまなシーンで共感できるだろう。 交通事故で一瞬にして家族を失い、絶望の中で生死をさまよう主人公のミア。昏睡状態の中、恋人のアダムや、祖父をはじめ、残された家族、仲間の言葉に励まされながら、人生最大の選択を迫られていく。そこで表現されている言葉には、愛情があり、優しさがある。 お気に入りのシーンは、それぞれの立場で違った印象になるだろう。ミアと恋人のアダムとの恋愛、孫を思う祖父が昏睡状態のミアに言葉を投げかけるシーンなど。映画当たり年だった2014年にあって、非常にクオリティの高い作品。大好きな人と共有したい映画だ。