野村克也が語る“成長する秘訣”「新人諸君は失敗を恐れず、どんどんぶつかっていってほしい」
当連載の筆者である野村克也さんが2月11日にご逝去されました。ご生前の功績を偲びますとともに、編集部員一同、謹んで哀悼の意を表します。当連載に関しましてはご生前、野村さんが書き溜めていた原稿が残されておりますので、本誌3月16日号(3月4日発売)まで続けさせていただきます。(週刊ベースボール編集部) 2月1日はプロ野球選手にとっての元日だ。2月を迎えると、「今年もいよいよ始まるな」と思う。プロ野球の現場から離れてもう10年以上経つのに、いまだ同じ気持ちになるのだ。それだけ、体に染みついているということだろう。 ただこのところ、同級生だけでなく年下の連中の訃報ばかり聞いて、イヤになる。先日も元中日・高木守道が亡くなったと聞いた。リーグが違うから、あまりよくは知らないが、守備もバッティングも天才的な選手という記憶がある。セカンドへのバックトスなど、人のやらないことをやって目立つ選手だった。特に私は不器用だったから、そういう器用な人がうらやましかった。 高木は私より6つ下。なんだか私ももう早う行けと言われているような気がしてきた。人間は誰でも死ぬものだから仕方ないのだが、若い読者諸君は生きているうちが華と思って、やりたいことはやっておいてほしい。 まあ、年寄りの戯言(ざれごと)はともかく、今はキャンプもたけなわ。各球団の新人選手たちも皆、それなりにプロの洗礼を浴びているのではないだろうか。新人選手はまず、勘違いをしないことだ。「将来はプロ野球選手になりたい」という夢を子どものころから描いてきて、今やっと、その何年か越しの夢が叶った。そこで達成感に浸ってしまう選手のなんと多いことか。 ましてや・・・
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週刊ベースボール