暗号資産、アジアにはチャンスが眠っている
規制の前進
これらの国々がそれぞれ独自のルールや規制を策定しているため、それぞれの国々に独自の条件で関与することは複雑な作業となる。しかし、それを効果的に行うことで、大きなチャンスが生まれる。 香港は、Web3のリーダーになろうと積極的に動いている。規制当局、政府関係者、業界リーダーが、何を望み、どのように目標を達成したいかが一致している珍しいケースだ。規制当局が銀行にデジタル資産ビジネス用の口座を開設するよう強要する話はめったにない。 例えば昨年、香港の規制当局は、認可を受けた取引所が個人投資家向け取引サービスを提供することを認可し始め、話題となった。 今は、ビットコインETFの承認にも前向きな姿勢を見せている。香港経済は、不動産や製造業、あるいは伝統的な金融サービス以外の大きな後押しを必要としている。当局は、暗号資産業界を「経済を押し上げるセクター」として真剣に受け止めている。 これが香港にとってどの程度有効なのか、世界は注視している。香港は2024年以降、真の「暗号資産ハブ」になる大きな可能性を示しており、その暗号資産への取り組みが十分な将来性を示せば、中国政府に彼らの体制を脅かしたり、資本逃避に対する懸念を増幅させることのない形で、一定の安心と安全を確保できるかもしれない。 香港の成功は、中国本土の暗号資産に対する現在の強硬な姿勢を徐々に軟化させる可能性がある。そして、中国における比較的小さな軟化であっても、暗号資産分野では大きな変化をもたらす可能性がある。 中国のあらゆる規模の企業は結局のところ、いまだにブロックチェーンでのイノベーションを続け、このテクノロジーに投資している。つまり、彼らはデジタル世界の「開発者」的側面から目を背けてはいない。 一方、シンガポールのような国々は、暗号資産に対する実用的なアプローチを維持しており、それがシンガポールに投資と人材を引きつけ続けている。 日本、韓国、台湾など他のアジア主要経済圏も、それぞれ独自の方法で規制を策定・実施しており、投資家の信頼と暗号資産の成長の基盤作りに貢献するだろう。インドでは、不透明な規制環境にもかかわらず、人々は暗号資産に取り組んでいる。 いずれのケースでも、アジア諸国はより多くの金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)を実現するための独自の道を切り開いており、他の国々はそこから学び、実践に活かすことができる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:香港(Ruslan Bardash/Unsplash)|原文:Crypto Has an Unrealized Opportunity in Asia
CoinDesk Japan 編集部