『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』©IBC MOVIE / KAVAC FILM / AD VITAM PRODUCTION / MATCH FACTORY PRODUCTIONS (2023)

　第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたマルコ・ベロッキオ監督の新作映画『Kidnapped（英題）』が、『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』の邦題で4月26日よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開されることが決定した。 【写真】マルコ・ベロッキオ監督が手がけた『シチリアーノ 裏切りの美学』 　本作は、スティーヴン・スピルバーグが映画化に向けて書籍の原作権を押さえていたことでも知られている「エドガルド・モルターラ誘拐事件」を、『ポケットの中の握り拳』『シチリアーノ 裏切りの美学』などのベロッキオが描いた社会派ドラマ。 　1858年、ボローニャのユダヤ人街で、教皇から派遣された兵士たちがモルターラ家に押し入る。枢機卿の命令で、7歳になる息子エドガルドを連れ去りに来たのだ。取り乱したエドガルドの両親は、息子を取り戻すためにあらゆる手を尽くす。世論と国際的なユダヤ人社会に支えられ、モルターラ夫妻の闘いは急速に政治的な局面を迎える。しかし、教会とローマ教皇は、ますます揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に応じようとしなかった……。 　スピルバーグは7歳のエドガルド役が見つからず映像化を断念したが、ベロッキオは新星エネア・サラを抜擢。そのほか、『Viva！公務員』のパオロ・ピエロボン、『シチリアーノ 裏切りの美学』のファウスト・ルッソ・アレジ、『甘き人生』のバルバラ・ロンキ、『蟻の王』のレオナルド・マルテーゼらがキャストに名を連ねている。 　あわせて公開された日本版ティザービジュアルでは、こちらを見つめるエドガルドと、彼を抱く教会の絶対権力の象徴である教皇が薄い笑みを浮かべる姿が描かれ、「なぜ、僕だったの？」というインパクトのあるコピーが添えられている。