傍聴券求め350人注目初公判すすきの殺人 異様な親子関係詳らかに 検察・弁護主張真っ向対立
父親の修被告は事件当日、瑠奈被告をホテル付近まで送迎していたとされます。 そして、母親の浩子被告は男性の頭部を自宅に隠すことを容認し、瑠奈被告から頼まれた頭部を損壊するビデオ撮影を修被告に依頼して、遺体の遺棄や損壊を手伝ったとされています。
2023年5月、すすきののダンスクラブで撮影された映像です。 瑠奈被告と被害にあった男性が親密そうに体を寄せ合っている様子が映っていました。 そして、すぐ近くには2人を見つめる修被告がー これが親子と男性の最初の出会いで、このあとに瑠奈被告と男性がトラブルになったとみられています。
2023年8月から半年間の鑑定留置を受けていた親子3人。 札幌地検は3人を殺人やほう助などの罪で起訴しました。
そして、4日に開かれた母親の浩子被告の初公判。 「頭部の存在を知ったときはすでに浴室にあった」「異常だなと思ったが私は娘に置いていいと言っていない」 裁判では、精神的に不安定になると手が付けられなくなる瑠奈被告への配慮から、両親が言動を一切否定できない状況が背景にあったことが明らかになりました。 弁護側は「警察に通報や娘を出頭させなかったことがほう助にあたるとは言えない」などとして無罪を訴えました。
一方で、検察は「事件前に瑠奈被告が被害男性との間に性的トラブルがあり、殺意を募らせていたことを認識していた」と指摘。 娘の犯行を容認したと主張しました。 主張が真っ向から対立した今回の裁判。 元検察官の中村浩士弁護士は、この裁判の持つ意味をこう指摘します。 (中村浩士弁護士)「動機の一端であったり、背景事情、実際に現場で何が起こっていたのか、そこを解明する手がかりがいろいろと得られてくる。修被告、瑠奈被告への判決への影響がかなり大きい。すごく重要な裁判になると思います」 頭部を自宅に隠すなどした瑠奈被告の犯行を、容認したとされる浩子被告。 「ほう助」という犯罪が成立するのかが争点となります。