「あなた働きすぎですね…はいっ、年金減額!」 働き続けるとごっそり“減額”される「年金の盲点」と、定年後の再雇用で損しない働き方とは?
まとめると、高橋さんは本来なら、「月収+ボーナス+年金」で月70万円(平均)を受け取れるはずでしたが、収入が年金カット基準の50万円を超えたため、毎月の年金が7万円カット。その結果、収入が月63万円(平均)に減ってしまう……ということになります。 ■在職老齢年金は繰り下げ待機中も年金減額の対象! そのほか、在職老齢年金には、年金減額につながる注意点がもう2つあります。 1つ目は、年金が全額支給停止になった場合に限り、加給年金(『申請しないと「1円ももらえない」年金の“正体”』)も全額支給停止になる、ということです。
2つ目は、年金を受け取る時期を遅らせる「繰り下げ」待機中も年金減額の対象になる、という点です。つまり、年金を実際に受け取っていなくても、繰り下げ受給の増額分から在職老齢年金によってカットされたと想定される年金額が除かれてしまうのです。 たとえば、繰り下げ待機中に在職老齢年金の計算によって全額支給停止になると、年金の増額を狙ってせっかく繰り下げ受給にしたにもかかわらず、年金は1円も増額されない、ということになります。
■年金を満額もらえる方法とは……? ここまでの説明からもわかるとおり、年金の受給額を減らさず働くためには、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超えないように働く必要があります。 頑張って働いても年金がカットされるなんて、正直悔しいものです。しかし、ここであきらめないでください。どんなに稼いでも年金を満額受け取れる方法があるのです。 それは、厚生年金に加入しない働き方をする、です。そもそも在職老齢年金とは、厚生年金に加入して働きながら受け取る年金のことです。したがって、厚生年金に加入しなければ在職老齢年金とはいわず、そもそも年金カットのルールが適用されないのです。
厚生年金に加入しない働き方とは、会社の社会保険に加入しないで働くことです。具体的にはフリーランスや個人事業主になることです。個人事業主というと、起業をイメージする人も多いでしょうが、業務委託契約を結ぶと個人事業主になります。 こうした働き方であれば、どんなに稼いでも年金は1円もカットされず、満額受給できるというわけです。ボーダーラインを超えそうな人は、ぜひ検討してみてください。
節約看護師りょう :節約系インフルエンサー