街頭演説する石破首相＝25日午後1時57分、黒石駅前多目的広場

　石破茂首相（自民党総裁）は25日、衆院選の地方遊説のため青森、黒石両市で街頭演説した。国政の課題として人口減少を挙げ「地方創生を一からやり直す。地方から新しい日本をつくり直す」と主張し、青森県を含む地方の雇用や魅力づくりに取り組む姿勢を示した。自民党派閥裏金事件を念頭に「党の改革はもう一回きちんとやる」と明言したが、衆院選の非公認候補が代表を務める政党支部に2千万円を支給した件は言及しなかった。 　石破首相は「人口が減るのは、結婚する人が少ないから。若い人たちが結婚できる所得を得なければならない。若い人たちが生きがいを持って働ける職場を地方につくらなければならない」と強調。婚姻率を向上させる政策を地方創生の柱とする考えを示した。 　経済分野では物価上昇を上回る賃上げや、下請け企業への十分な対価の支払いが必要だとした。自身が策定を指示した経済対策に関し「灯油代、燃油代をどうすればいいのかと思っている方が大勢いるはず。困った方には給付金をきちんとお支払いする」と述べた。 　2009年に下野し、12年に政権に復帰した経緯に触れ「もっと謙虚で誠実で自由闊達（かったつ）に真実を述べる政党になろうと誓い、また政権を託していただいた。その原点に立ち返らなければならない」と語った。 　国政選挙の応援で首相が来県するのは、岸田文雄首相（当時）が参院選期間中に本県入りした22年7月以来。会場となった青森市の青い森公園には800人（主催者発表）、黒石市の黒石駅前広場には1500人（同）が集まった。