井上尚弥の衝撃KOが人生を変えた?「あの一戦があったから世界王者になれた」33歳モロニーが“無敗”武居由樹の挑戦を受けた理由
井上尚弥のジムメイトでもある武居由樹(大橋)の世界初挑戦が決まった。5月6日、東京ドームで開催される井上対ルイス・ネリ(メキシコ)戦のアンダーカードでWBO世界バンタム級王者ジェイソン・モロニー(豪州)に挑む。元K-1の世界王者であり、ボクサーとしても8戦8勝8KOの武居にかかる期待は大きいが、迎え撃つモロニーも実力者である。 【画像】モロニーの人生を変えた井上尚弥の衝撃KO…決定的瞬間を一気に見る「尚弥の左でタパレスの顔面が…」「フルトンのアゴがゆがんだ」「ドネア戦に仕上げたバキバキ肉体美」(100枚超) 2020年10月、当時WBA、IBF世界バンタム級王者だった井上尚弥には7回KOで討ち取られたモロニーだが、以降は6連勝。昨年5月、WBO同級王者に就き、すでに一度防衛も果たしている。27勝(19KO)2敗という戦績が示す通り、33歳になった現在まで十分な経験も備えており、武居にも手強い相手となるはずだ。 3月中旬、豪州でトレーニングキャンプを開始したモロニーにリモート取材でじっくりと話を聞いた。素顔のモロニーは昨年、双子の弟アンドリュー(元WBA世界スーパーフライ級王者)とともに全米ボクシング記者協会の“ナイスガイ賞”候補に挙がったほどの好漢。今回の試合に向けても、武居の潜在能力に敬意を払いつつ、同時に「井上戦で多くを学んだ」という自身の勝利を疑ってはいないようだった。(以下、モロニーの一人語り)
「母国での防衛戦より東京ドームを選んだ」
私は5月6日、東京ドームに5万人以上のファンを集めて開催される井上尚弥の防衛戦のセミファイナルで戦うという貴重な機会を得ました。武居が日本国内でもかなり期待されている選手だというのはわかっています。勝てば多くの称賛とリスペクトが手に入るはずの素晴らしいステージです。 すでに報道されている通り、5月12日、豪州で予定されているワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)対ジョージ・カンボソスJr.(豪州)戦のアンダーカードで防衛戦を行うというプランもありました。練習も始めていたところで、日本での防衛戦の話が飛び込んできたのです。 もちろん母国での試合も貴重な舞台であり、難しい選択ではありましたが、シンプルに、東京ドームで元K-1王者と戦う方が私にとってもエキサイティングに感じられたのです。陣営と一緒に2つの試合を比較し、日本での戦いの方を選んだわけです。多くの人は私と武居の試合は50/50のマッチアップと考えており、王者の力量を認められるにはそういう戦いに臨まなければならないんです。 武居は才能に恵まれた選手ですね。私のジムメイトでもあるブルーノ・タリモ(タンザニア)が2022年12月、日本で武居と対戦した時以来、彼の存在には気づいていました。トリッキーなスタイルで、スピード、爆発力、全戦でKO勝ちするだけのパワーも備えています。ジャンプするように飛び込んで来て、大きなアッパー、フックを振りかざしてきますね。そういう相手と戦う際には決して油断できないし、気を抜いてワイルドなパンチをもらうわけにはいきません。 武居にとっても私との対戦は大きなステップアップになりますが、陣営が9戦目での世界挑戦を画策するくらいですから、それだけの実力はあるのでしょう。大橋ジムを拠点とし、井上兄弟を始めとする優れたスパーリングパートナーに恵まれていることも容易に想像できます。
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