SBCドリームテニス、男子は中川直樹が初制覇! 四大大会を見据え「1000万円は来年の遠征費に全部使いたい」<SMASH>
決勝は綿貫と中川直樹の好カード。先行したのは綿貫で、強打にライジングのリターン、ドロップショットなど、多彩な攻撃で1ゲームも落とさず第1セットをモノにする。しかし「去年決勝で後悔が残る負け方をした」という中川が第2セットになると猛チャージ。 「出だしは硬かったので、1球1球集中してしっかりラケットを振っていこうとだけ考えた」ことが功を奏し、前に入って攻める形が多くなる。第2セットをタイブレークの末に奪うと、マッチタイブレークでも臆せず攻め続け、10-2の差をつけて大会初優勝を飾った。 中川といえばIMGアカデミーを卒業まで全うし、将来を嘱望された逸材。しかし度重なるケガにより、ランキングを上げては振り出しに戻る選手生活を送ってきた。その彼も28歳。世界に出るには待ったなしの状況で、「(賞金の)1000万円は来年の遠征費に全部使いたい」と語る。 「今年はほぼ半年ケガで試合に出られなかったので、来年1月から夏頃まで僕の成績次第ではグランドスラムに引っかかる。賞金はそれに使いたい」。現在の中川のランキングは373位。四大大会の予選に出るには200位台前半まで上げる必要があるが、守るポイントが少ないぶん可能性はある。 この1000万円が中川のテニス人生を変えてくれることを願いたい。 〈男子シングルス結果〉 ◆決勝 中川直樹(SBCメディカルグループ)0-4 4-3(3) 10-2 綿貫陽介(SBCメディカルグループ) ◆3位決定戦 片山翔(伊予銀行)W.O. 西岡良仁(ミキハウス) ◆準決勝 綿貫陽介(SBCメディカルグループ)4-1 4-3(5) 西岡良仁(ミキハウス) 中川直樹(SBCメディカルグループ)4-1 4-2 片山翔(伊予銀行) ◆準々決勝 西岡良仁(ミキハウス)4-3(6) 4-2 松田康希(イカイ) 綿貫陽介(SBCメディカルグループ)4-2 4-1 今村昌倫(JCRファーマ) 中川直樹(SBCメディカルグループ)4-3(7) 4-3(5) 望月勇希(エキスパートパワーシズオカ) 片山翔(伊予銀行)4-3(3) 4-2 上杉海斗(江崎グリコ) 取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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