ロシアで過去最悪規模の洪水、村人は避難指示無視して自分たちで堤防築く
ロシアのウラル地域などで過去最悪規模の洪水が発生している中、ある村の住民は避難指示を無視し、土木機械を使って自分たちで堤防を築き始めた。当初は自前の機械を使っていたが、水位が2日間で1メートル近く上がったため、レンタル機械も導入したという。ドローン映像によると、浸水は防がれているもようだ。 過去最悪と言われる洪水に見舞われた、ロシア中部。ある村では、住民が避難指示を無視し、自分たちで堤防を築いた。ダムにある止水壁のような堤防で家屋への浸水を防ごうとしている。ドローン映像によると、浸水は防がれている。 被害を受けたオレンブルグ市では先週、水位急上昇を受け数千人の住民に即時避難を指示。数十人の住民が土壁の建設に取りかかった。土壁は現在、1.4キロ以上に達した。 オレンブルグ市近郊に住むイワン・チェルノモレツさん 「ここにはもともと、土が高くなっている場所があったので、補強を始めた。後ろに土木機械が見えると思うが、当初はその、住民所有の機械だけを使っていた」 作業は時間との戦いだった。 「増水が始まると、自前の機械では間に合わないと分かり、レンタル機械も投入した。そのころには、2日間で水位が1メートル近く上昇し、村の住民も手伝うようになった」 チェルノモレツさんによると、子供らや高齢者については工事の前に避難させたという。 今回の洪水は、ロシアとカザフスタンの主要な河川が大量の雪解け水で急激に増水し、堤防を決壊させたことで発生。ロシアの複数地域も記録的な洪水に見舞われている。プーチン大統領の側近は、地方当局の予測と緊急対応が不十分だったとした。 国営メディアは17日、クルガン市の水位が危険レベルを超えたと報道。 隣国カザフスタンでは12万人近くが避難している。