大麻とどう向き合う? 大麻取締法75年ぶり改正へ 大麻由来成分の商品も急増【WBS】
日本で栽培や所持が原則禁止されている大麻ですが、それを規制する大麻取締法がいまの国会で75年ぶりに改正されることになりそうです。足元ではCBDという大麻由来成分が入った商品なども急増しています。いったい何が起きているのでしょうか。日本は今後大麻とどう向き合うのでしょうか。 3日、渋谷で開かれたある展示販売会。会場のいたるところで目に入るのは「CBD」という言葉です。売っているのは普通のグミに見えますが、CBDが入ったものだといいます。一体どんな味がするのでしょうか。 「オレンジ味のグミという感じです。よくかんでいくと、だんだん草の香りがしてきます。若干の苦味も感じます」(金子律人記者) CBDとはそもそもどんなものなんでしょうか。 「カンナビジオールという成分の一つ。大麻に含まれるポリフェノール」(「キャナテック」の須藤晃通CEO)
日本で栽培や所持が原則禁止されている大麻。主要成分のうち、THCは脳に作用し、幻覚作用などがあることがわかっています。一方、CBDは幻覚作用がなく、一定の要件を満たせば海外産のものを輸入、販売することができるのです。 会場ではCBDを練り込んだクッキーや化粧水、さらにペットに飲ませるCBD入りのオイルまで販売されていました。多くの商品がリラックスやストレス解消などを期待できるとうたっています。 会場の客に話を聞くと 「肩こりがあったときに塗る。夜寝るときに使う。(CBDが)危ないものではないかということも頭の中にあり、こういうイベントに来て、どうなのかを確認したかった」(60代女性) 「たまにキャンディーやグミを食べるので買っている。眠れない時にいい方法はないかと調べていたら(CBDが)出てきた」(40代男性) といいます。 日本の消費者にも広がり始めたCBD商品。健康意識の高まりもあり、矢野経済研究所はCBDの市場規模が2019年のおよそ47億円から、2025年にはおよそ829億円にまで急成長すると予想しています。 イベントを主催する「アサビス」の中澤亮太社長は「数年前からCBDが一般でも流通し始め、日本の大手企業はまだ進出していないが、夜明け前みたいな感じ」と話します。 ただ、市場に出回っているCBD商品の中には幻覚作用、記憶への影響、学習能力低下等を生じさせることがわかっているTHCの成分が一定程度以上残っているとして、厚生労働省などが摘発するケースもあります。こうしたこともあり、大企業はCBD市場への参入を控える傾向にあります。 その中で1本500円のCBD配合飲料の販売に踏み切ったのが飲料メーカーのチェリオコーポレーションです。同社の菅大介社長は「心を休める時間を提供できないかと発売した。(懸念は)ゼロではないが、客に価値を提供できる路線も模索したい」と話します。