生活保護を受給しているという隣人。「犬」と暮らしているようですが、ペットを飼うことは認められるのでしょうか?
生活保護は最低限度の生活を送ることが困難な人が利用できる制度なので、受給するにあたって所有している資産やぜいたく品は処分しなければならないというイメージがあると思います。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの? では、ペットを飼っている場合はどうなのでしょうか。ペットを飼っていると生活保護の申請ができないのか、生活保護を受けるのであればペットは手放さなければならないのか、確認しておきましょう。 本記事では、生活保護の受給要件とともに、ペットと暮らしていても生活保護の受給が認められるケースについてご紹介します。
生活保護の受給要件とは?
生活保護は、すべての資産や能力を活用し、それでも収入が最低生活費を下回っていることが受給条件になります。売却できる資産を所有している場合は、売却して生活費に充てる必要があります。 そのほか「働ける場合は能力に応じて働くこと」「年金や手当などほかの制度を活用できる場合は優先すること」「親族から援助を受けられる場合は受けること」も、生活保護の受給条件です。 ※出典:厚生労働省「生活保護制度」 働いていて収入がある場合は、最低生活費から収入を差し引いた額が保護費として支給されます。
生活保護を受けるならペットは手放さなければならない?
生活保護の受給要件には、ペットに関する記載はありません。 そのため、生活保護を受給するために今飼っているペットを手放したり、生活保護を受けてからペットを飼うことが制限されたりすることもないと考えられます。 特に、ペットを飼うことが飼い主の健康維持や自立につながったり、ペットの存在が心の支えになったりしている場合は、ペットと一緒に暮らしながら生活保護を受給することが認められる可能性が高いでしょう。 ただし、ペットを飼うには餌代をはじめ、ワクチン接種にかかる費用や病気になったときの治療費など、何かとお金がかかります。 ペットを飼育するのにかかる費用が生活保護に上乗せされて支給されることはないため、支給された生活保護費の中からまかなわなければなりません。 もし、ペットを飼っていることで経済的な負担が大きくなり、最低限度の生活を送ることが難しくなるようであれば、ケースワーカーから指導が入る可能性もあるでしょう。