【解説】今年の夏「47年ぶり」現象発生? 「地球の気温が未知の領域に」住む地域の“リスク”知り備えを…
■「エルニーニョ現象」でも冷夏にならない? 温暖化の影響も…「地球の気温が未知の領域に」
エルニーニョ現象が発生しても、涼しくなる可能性があるとは言い切れません。 今年は2月まで、ラニーニャ現象が起きていました。エルニーニョ現象とは逆で、夏は暑く冬は厳しい寒さになる傾向があります。冬にラニーニャ現象が終わり、直後の夏にエルニーニョ現象が起きた場合、47年ぶりとなります。ラニーニャ現象の影響が残っているためエルニーニョ現象が起きても、この夏に日本は気温が下がらず暑い夏になる可能性があるのです。 冷夏にならない理由には、温暖化の影響もあるそうです。 世界気象機関は17日、今年から5年間のうち少なくとも1年の平均気温が観測史上最高となる可能性が98%と発表しました。そして、「地球の気温が未知の領域に入る」と警告しています。 温暖化によって、日本では気温以外の影響もあります。気象庁は特に、短時間に降る猛烈な雨が増えているため、急な浸水や小さな川の氾濫に警戒してほしいと呼びかけています。
■命を守るため備えを 「重ねるハザードマップ」で住む地域のリスクを確認
命を守るためには、備えが必要です。国土地理院の「重ねるハザードマップ」はインターネット上で閲覧でき、自分が住んでいる地域のリスクを知っておくのに役立ちます。 洪水、土砂災害、高潮などのリスクがどの地域で・どれくらいあるのかチェックできるもので、30日からは文字でもリスクが分かるようになりました。
検索バーに住所などを入力して使います。例えば、4年前に氾濫した多摩川の流域にある「新多摩川橋」と入力すると、洪水によって想定される水深の深さによって色分け表示され、危険度が分かるようになっています。30日から変わったのが、想定される被害などが文字で示されるようになったことです。 「新多摩川橋」と入力すると、「河川からあふれた水の流れにより、木造住宅などが倒壊する危険性のある場所です」などの具体的な説明が表示されます。 この文字表示により、ハザードマップを使いこなすのが難しい人にも危険を理解してもらうのが狙いです。自分や家族が住んでいる地域について調べることをおすすめします。 ◇ 地球温暖化は、私たちの生活にすでに多大な影響を及ぼしています。「気候変動は未知の領域に入った」と言われるだけに、気象庁でも予測が難しくなっているのが実情です。だからこそ、ハザードマップなどで自分のまわりにあるリスクを把握して、危険が近づいたらどのように対応すればよいのかシミュレーションしておくことが大切です。 (2023年5月30日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)