好調スズキ「1人勝ち」の理由とは?トヨタ・日産が低迷でも関係なし…強さの秘密とは
どの国でどの車種が売れてる? スズキの2024年販売実績
では、各市場におけるスズキの状況は、どうなっているのでしょうか。スズキが11月に発表した「第2四半期決算説明会」の資料を元に考えてみましょう。 スズキの最大の市場となるのがインドです。インドにおける今期(4~9月)の販売台数は、前年比マイナス2.8万台でした。ただし、割合で言えば前年比マイナス3.1%。売れた数で言えば、半年で86.1万台も売っています。 この実績について、コンパクトカーの販売が予想を下回ったため、生産調整を行ったのがマイナスの原因だとスズキは説明しています。とはいえ、インドのお祭りの期間であるディワリ期は前年比1割増しとか。スズキの人気が低迷しているわけではないようです。 また、販売の内訳を見ると、コンパクトカーが前年よりも減っており、その代わりにSUVなどが増えています。コンパクトカーは安価で利益も少ないため、SUVが増えるほうが売上や利益増に貢献するはずです。 日本市場は、34.3万台で前年より9.7%も増えています。スズキは、2023年11月に新型軽自動車「スペーシア」「スペーシアカスタム」、そして12月にコンパクトカー「スイフト」を発売しています。どちらもスズキの主力モデルであり、これらの新型車が好調に売れているのでしょう。また、業績に反映されていませんが、2024年9月に発売された「スペーシアギア」と、10月発売のSUV「フロンクス」も、評判が非常に良いとか。今年の後半も期待が持てます。 欧州も新型「スイフト」の販売が好調で、前年比プラス4.8%の5.1万台の販売を記録。インドを除くアジアでは、パキスタンが大きく伸び、全体としてプラス3.2%の8.9万台になっています。パキスタンの伸びは、豊作による個人需要の伸びが背景にあるようです。また、パキスタンには日本の軽商用車「エブリイ」も投入されました。 その他の地域は、なんと前年比プラス14.3%も伸びて、販売数は15.5万台となっています。中南米、アフリカ、中近東、大洋州のすべてで増加しています。南アフリカにおけるスズキのシェアは確実に伸びており、2020年の時点で4.8%だったのが、2024年度は11.5%にまで伸長しています。