【神宮大会】8回2失点完投負けも持ち味を十分発揮した明徳義塾・池崎安侍朗
好きな投手は今永昇太
11月21日 神宮 【第55回記念明治神宮野球大会】 ▼2回戦 横浜高2-0明徳義塾高 第55回記念明治神宮野球大会の2日目(11月21)の第1試合、横浜高(関東地区/神奈川)が明徳義塾高(四国地区/高知)を2対0で下し、準決勝進出を決めた。 明徳義塾高の左腕・池崎安侍朗(2年)は8回2失点完投。110球の力投を見せたものの、打線の援護がなかった。横浜高の1年生右腕・織田翔希に対して、2安打ととらえ切れなかった。 先発投手としては、十分な役割を果たしたと言えるが、勝利へ導けなかったことを悔やんだ。今夏の甲子園初戦(2回戦)では鳥取城北高を相手に、95球の5安打完封と「マダックス」を達成した。秋の国スポ(佐賀)では、夏の甲子園で初の全国制覇を遂げた京都国際高に、延長10回2失点完投勝利。新チームでは四国大会3試合を一人で投げ抜き、優勝へと導き、申し分のない活躍を見せてきた。多くの場数を踏んでいるだけに、自身への要求も高くなる。 「無駄なボール球が多くて、守備からリズムをつくることができなかった。横浜高校には、甲子園で勝てていない(3戦3敗)と聞きました。今回は絶対、勝ちたいと思いましたが……」 特に悔やんだのは先制点を許した2回裏、先頭打者に四球を与えたこと場面である。 「四球は流れが悪くなる。しかも、先頭のフォアボールは最もしてはいけないことでした」 相手は一番から七番まで、左打者を並べてきた。 「同じ配球では、抑えられない。いろいろな球種を使い、打者に絞らせない工夫をしました。低めの変化球を打たせることができ、それが、実践できたのは収穫です」 最速140キロ。カーブ、スライダー、チェンジアップを織り交ぜ、打者の打ち気を逸らすのが生命線であり、持ち味を十分に発揮した。四国大会は万全の調子ではなく、今大会に向けてフォームを微調整。体の開き、体が前に突っ込まない2点を修正し、一定の成果を残せた。 好きな投手はカブス・今永昇太。「良いピッチャーですので、参考にしています。(投手として)点をやらないことだけを考えている」。試合後取材の10分間、言葉数が多いとは言えないが、一言一句に内に秘めた決意を感じた。背中で見せるエース・池崎の一冬の成長から目が離せない。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール