キャンプインを前に岡田阪神の連覇の可能性を“熱男”こと松田宣浩氏が予想（写真・黒田史夫）

いよいよ今日1日からプロ野球がキャンプイン。セ・リーグは巨人と中日が今オフ大型補強に動くなど“打倒・阪神”に燃えているが、昨季限りで引退した元巨人、ソフトバンクの松田宣浩氏（40）は、RONSPOの引退記念インタビューで「しばらく阪神の時代が続く」と予想していた。史上初の連覇へ。岡田彰布監督（66）が率いる虎は、約1か月間にわたる沖縄キャンプで盤石の準備を整えることができるのか？ 【画像】「ノーバンに見えた！」乃木坂46の向井葉月さんが西武始球式で感涙

　待ちに待った球春の到来である。すでに2024年の戦いはスタート。キャンプインを前に各球団は今季の陣容を整えた。セ・リーグでは、打倒阪神に燃える他球団の積極的な補強が目立った。阿部新監督を迎える巨人は、トレードでソフトバンクから高橋礼、泉圭輔を獲得、現役ドラフトでは、阪神の昨季防御率2.45の馬場皐輔を獲得し、さらに阪神からはセットアッパーだったカイル・ケラーとも契約。最強投手陣のエッセンスを横取りし、打つ方では、メジャー通算178発の前パドレスのオドーアの獲得にも成功した。 　最下位からの雪辱を誓う立浪竜は、巨人を自由契約となった中田翔を獲得し、戦力外組からは、同じく巨人のベテラン中島宏之、ソフトバンクの上林誠知、阪神の山本泰寛、板山祐太郎（育成）らをメンバーに加えた。即戦力としてドラフト1位指名した亜大の右腕、草加勝がいきなりトミー・ジョン手術を受けることになったのは誤算だっただろうが、3年目の立浪和義監督の意欲が見てとれる。 　また2年連続Aクラスの横浜DeNAは、今永昇太をカブスに流出したが、新外国人投手を3人も補強した。 　だが、昨季限りでユニホームを脱いだ元巨人、ソフトバンクの“熱男”こと松田氏は「しばらく阪神の時代が続くんじゃないですか？」との見方をしている。 　なぜか？　ソフトバンク時代にリーグ優勝6度、日本一7度を果たした経験からくる成功体験がチームに見えない力を与えることを知っているからだ。 「見えない経験値が上がるんです。勝ったという驕りはない。勝ったという自信しかない。　僕は幸いにして7回も日本一を体験させてもらった。まだ入団2年目だった2007年（3位）、2008年（最下位）、2009年（3位）の3年間は、どうやって勝てばいいかと悩んだが、2010年に秋山幸二監督の元で優勝してから、その悩みがスーッとなくなって2011年も連覇ができた。それがチームの目に見えない成長なんです」 　18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一に輝いた阪神の特徴は、ベテランが引っ張ったのではなく、若手が成長しながら頂点を手にしたという部分だろう。リーグMVPに選ばれ、クライマックスシリーズのファイナルステージ、日本シリーズと続けて開幕戦を任されて今季の開幕投手の最有力候補である村上頌樹は、今年が4年目。投手陣でベテランと言っていいのは、今年で34歳となる西勇輝、33歳となる抑えの岩崎優、中継ぎの岩貞祐太、加治屋蓮くらいだろう。野手陣も若い。2023年の段階で30歳オーバーは、左右の代打勢の糸原健斗、原口文仁くらい。だから、岡田監督も「チームが若いから成長の伸びしろがあるよな。優勝した経験は大きいよ」という話をしていた。 　補強したのはブルペン強化のための新外国人ゲラだけ。ドラフトでは、1位で青学の下村海翔、2位でキャンプで1軍抜擢した独立リーグの剛腕の椎葉剛という即戦力投手を獲得したが、新戦力よりも優勝を知った若手の2年目の上積みへの期待値が大きいのである。