阪神・大山、ただいまマルチ!逆襲キーマン復活や「チームが勝ったことが一番」
(セ・リーグ、阪神1x-0DeNA、9回戦、阪神5勝3敗1分、21日、甲子園)丸い月が聖地を照らす仕切り直しの一戦で、虎に主砲が帰ってきた。Hランプを点灯させるたびに、スタンドから一層多くの声援が巻き起こる。大山が19日ぶりの1軍戦に定位置の4番で臨み、マルチ安打。交流戦明けという再出発の一歩目に十分な結果を残した。 「チームが勝ったことが一番なので、この勢いで明日も頑張りたいと思います」 打席に向かうだけで虎党から拍手が起き、その期待の大きさに結果で応えた。二回の第1打席。ジャクソンが4球目に投じた154キロ直球をバットに当てた。会心ではなかったが打球は一、二塁間を破って右前へ。5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の安打を放つと、さらに森下の四球で1死一塁となった四回にも中前打。マルチ安打でチャンスを拡大した。 開幕から50試合を過ぎたところで打率が2割を下回り、今月5日に2軍落ち。鳴尾浜で若手とともに汗を流し、再浮上に向けた土台を築いた。信条の全力プレーは、初めて長い時間をともに過ごす若手にも好影響を与えた。三塁や遊撃でともにノックを受けた2年目の戸井は「グラウンドでもベンチに戻っても常に全力で、見習わないといけない部分を見せてもらった」と振り返る。やり抜いた先に続く道があることを示し、後輩たちの指針になった。 昇格即4番に据えた岡田監督は「復帰戦ですから、最初に2本出たから気分的にもだいぶ楽になったと思うんだけど、まだまだこれからですよ」と、今後にさらなる期待を込めた。1―0のサヨナラ勝ちで3連勝も、まだまだ得点力を高めたい。帰ってきた大山に求められるものは大きい。(邨田直人)