【ウインターカップ直前特集】再びの金星を期す、東海大学付属福岡高校の宮﨑優介コーチ「昨年の桜花学園戦を超えるゲームを」
「インターハイ出場を逃したのは指導者としての未熟さ」
前回大会3回戦で優勝候補の桜花学園を相手に、残り3.3秒で4ポイントプレーを決めて大金星を挙げた東海大学付属福岡。日本一を目標に掲げた今年はインターハイ予選で敗れただけに、ウインターカップに懸ける思いは強い。県予選後にエースの浜口さくら(3年)の欠場が濃厚となるアクシデントもあったが、宮﨑優介コーチは「昨年の桜花学園戦を超えるゲームをしたい」と、再びの金星獲得を狙う。(文=山根崇 取材=古後登志夫) ――今年1年をどう過ごされましたか。 新チームになって新人戦、九州新人大会で優勝して、良いスタートが切れました。ただ、新年度を迎えて、精華女子さんにも留学生が入って、6月のインターハイ予選は対応に苦しんで全国を逃したのは大きかったです。 4、5月の段階では3年生が昨年の経験もあり、変に背負いすぎていました。決勝は「福岡県は私たちが制覇しないといけない」という気負いから、思うようなバスケットを展開できませんでした。メンタルも技術も、劣っていました。1番大きな反省点は県大会と、九州大会の精華女子さんとの試合で、立ち上がりが全く同じ展開になってしまったことです。ウインターカップ予選までに徹底して、練習や練習ゲームを通じて、立ち上がりを大切にした結果、良い方向に向かっています。 インターハイの時点では伊良部由明、境さくら、浜口さくら、伊東友莉香、アミ・チャラウの5人が中心でした。ウインター予選では、浜口の妹の浜口ゆずと東口紅愛の1年生2人が安定してきたことが、プラスに働きました。新たな東海のバスケットが展開できるのではないかなと思います。 ――夏以降、どのような指導で成長を促しましたか。 昨年度の結果があり、県大会が終わるまでは注目もされていました。私自身の反省としては子供たちに委ねすぎたこと。もっと詰めて、やるべきことを明確に示しておかないといけなかった。昨年の経験を信頼しすぎた部分に指導者としての未熟さが出てしまいました。負けた後から練習で気になっていた部分は細かく追求しました。境さくらキャプテンのバスケットノートを見ていると、心境の変化が感じ取れました。「バスケットがまた面白くなってきた」と書いていて、共に作り上げていく大切さを学んでくれました。ノートには必要な時はコメントも書きますが、基本的には彼女たちの振り返りなので、思考を共有するためにチェックさせてもらっています。