名古屋場所前に長浜相撲クラブの子供たちと交流する大の里（右）＝滋賀県長浜市で（同クラブ提供）

◇21日　大相撲秋場所14日目（東京・両国国技館） 　関脇大の里（24）＝二所ノ関＝が、自己最多の13勝目を挙げて夏場所以来、2度目の優勝を決めた。結びの一番で、大関豊昇龍を押し出しで破った。大関昇進の目安とされる「三役直近3場所で計33勝」を上回る34勝目。昇進問題を預かる日本相撲協会審判部が千秋楽の22日に臨時会議を開くことを決め、大の里の大関昇進が事実上、決定した。 【番記者メモ】 　名古屋場所前、大の里がいたずらっぽく打ち明けてきた。「”名古屋飛ばし”をやりました」。6月末に東京から一路、名古屋へ向かわ…ない。相撲の盛り上げを胸に滋賀県に降り立った。 　向かったのは長浜市の「長浜相撲クラブ」。日体大OBが指導する縁だけではない。きっかけは在学中に敵無しとなって訪れた時の思い出だった。「子供たちはポカーンとしてました。知らないんですよ」。相撲が盛んな故郷石川県とは、異なる反応が新鮮だった。「また頑張らんとダメというか、初心に戻れた」。角界入り後、番付を上げる励みになった。 　サプライズで足を運んで、子供たち一人一人のまわしやTシャツにサインした。「もっと強くなって帰ってきます」と再会を約束。「会えない存在になりたくない」を貫き、相撲どころを増やしていく。（志村拓）