「昔ながら」の大根すだれ、向こうにのぞく初冬の日差し 老舗漬け物店が仕込む懐かしい味
みそ、漬物を製造販売する長野県松本市城東の老舗「萬年屋(まんねんや)」で20日、漬物用の「カタ大根」を店の軒下につるす作業があった。曇り空に時折晴れ間がのぞき、すだれのようにつるされた大根が初冬の日差しを浴びて輝いていた。 【写真】大根は軒先で1週間ほど乾燥させる。大根すだれのすき間から初冬の日差しがこぼれた
今季は長さ17センチほどに切った地元産の大根を約2千本漬ける計画。作業は19日に始まり、この日も社長の今井誠一郎さん(59)が大根を井桁(いげた)に重ねてひもでつるしていった。「ほのぼのと幸せを感じて楽しいですよ」と笑顔で手を動かしていた。
軒先で1週間ほど乾燥させた後、米ぬかと塩、ナスの葉や柿の皮などで3カ月ほど漬け込み、店頭に並べる。今井さんは「昔ながらの製法による懐かしい味を楽しんでもらいたい」と話していた。