「当事者の会」結成から1年…旧ジャニーズ性加害問題の風化に元代表が強い危機感
スイス西部ジュネーブでの国連人権理事会で、旧ジャニーズ事務所の性加害問題を調査した作業部会による報告書が25~26日に提示される。 STARTO本格始動で際立つ日テレのシタタカさ…TV各局×旧ジャニーズ“蜜月濃度”には微妙な変化 世界最悪級とされる故ジャニー喜多川氏による未成年者への連続性加害が世界に伝えられて約1年、「ビジネスと人権」に関する作業部会が公表した報告書で、こう指摘している。 「数百人のタレントが性的搾取や虐待を受けたと訴えていることについて、依然として深刻な懸念があり、憂慮している」 スマイルアップ社は被害者補償を進めているが、被害者に弁護士費用を自己負担させていることに「容認できない。救済を求める被害者のニーズを満たすには道のりは長い」と厳しい評価を下している。 26日は「ジャニーズ性加害問題当事者の会」結成から丸1年でもある。元代表で作家の平本淳也氏は言う。 「今回の報告書において、作業部会の示した憂慮というメッセージは警告に相応するものだと思います。ジャニーズ性加害問題は犯罪であり、現在も人権侵害が続いています。また被害者への誹謗中傷という犯罪もあるなか、メディアも世論もその意識が低いことも、この憂慮の大きな要因ではないでしょうか」 そしてこう続けた。 「一芸能事務所の代表が犯した犯罪と、それに加担して隠蔽した同社の責任、さらに同社を支援してきた取り巻きのすべてに重大な過失が認められている。そのことを改めて当事者たちは認識すべきということでしょう。それを看過し犯罪予備軍と化していることといい、これらに向き合うべき国の力が必要とされている。このような機会を逃してしまったら、犯罪を許す、甘くてだらしない、かつ非情なる国民性を世界に知らしめてしまいます」 被害者への誹謗中傷も後を絶たず。大手メディアの報道のあり方といい、未熟なままの人権意識といい、問題は解決に向かうどころか風化の懸念すらある。