災害への備えを研究 防災に取り組む岩手県立大学の学生団体 カードゲームで避難所の運営を考える
岩手めんこいテレビ
岩手県立大学「FROM(フロム)」(岩手県滝沢市)は、防災に取り組む学生達の団体で、2024年4月に活動を開始した。 防災復興支援センター学生団体FROM代表 福田睦晃さん 「地域の地区・自治体に出向いて防災教育の支援をしたり、小・中学校、高校で共通して行われる避難訓練・補助の活動をしている。(メンバーが)自分の思いや感じたことをしっかり発言する活発な場になっているので、楽しみつつ学びになる素晴らしい場」 メンバーは20人で、その中の7人は防災士の資格を持っている。 この「FROM(フロム)」は、地域の防災力向上などを支援する「県立大学防災復興支援センター」の学生団体だ。 学生の視点から防災に携わる人材を育成する目的で結成された。 岩手県立大学防災復興支援センター 亀田昌志センター長 「(防災について)学生も色々考えているので力を借りたい。今、短期大学含めて全学部の学生がFROM(フロム)に入っている。様々な視点で議論しているので、想像も超える思いや考え方に期待をしている」 「FROM(フロム)」は毎週行われているミーティングでも、防災に関わる活動を行っている。 下谷地雄紀さん 「防災カードゲームは、ゲームといっても避難所をどういう形で運営するか、状況把握の訓練などをゲーム形式で行います」 避難所運営ゲーム「HUG」は、災害時の避難所をどのように運営するかを考えるゲームだ。 避難所には介護が必要など様々事情を抱えた避難者が駆け込む。 さらに「断水で飲み水がない」など避難所で発生する問題に対応していく。 (カードゲーム ケース1) 「男性52歳・男性22歳・女性16歳。世帯主は酸素ボンベを携行している。歩くのが大変なので車で来た」という想定では、話し合った結果「避難者の事情を考慮し体育館の適切な場所に誘導する」という結論を出した。 (カードゲーム ケース2) 避難所の中に発熱者が発生した場合の対処方法を考えていく。「すでに避難していた世帯で孫が発熱した」という想定では、「この家族には避難所での感染拡大を防ぐため、保健室(個室)に移動してもらった」 中條奈菜花アナウンサー 「(避難所運営ゲーム「HUG」は)心構えができるので、すごく勉強になりますね」 「FROM(フロム)」メンバーは、カードゲーム「HUG」を通して、避難者の置かれている状況を整理し、適切な指示を出せる人材を目指している。 日々、防災の活動に励む「FROM(フロム)」のメンバーは普段から個人個人で防災意識を持っているという。 小田愛華さん(1年)は、食材を備蓄し賞味期限が近付いたら交換する「ローリングストック」を行っている。 小田愛華さん 「私の家では、レトルト食品やパックご飯、シリアル、缶詰などを備蓄している。非常食を用意するよりもスーパーなどで手軽に買えるので実践しやすいかなと思っています」 古川晴香さん(3年)は、自宅に2リットルの水を12本も常備している。 古川晴香さん 「FROM(フロム)の活動で1日に必要な水として1日3リットル、それを最低3日分備蓄しておくと良いという話を聞いたが、3日分よりも1週間分あった方が安心なので置いています」 本田啓人さん(4年)は、普段持ち歩いているバッグに防災に役立つグッズを入れている。 本田啓人さん 「このポーチには除菌シートや絆創膏が入っている。別のポーチにはモバイルバッテリーや充電器など電子機器の充電に役立つアイテムを入れるようにしています。何かあった時、自分だけでなく周りの人にも何か伝えて役に立てたらいいと思い、常日頃、情報収集とか備えを行っています」 2024年4月に設立したばかりのFROM(フロム)だが、今後の活躍に期待が高まる。 防災復興支援センター学生団体FROM代表 福田睦晃さん 「やっぱり一番は地域を愛して、地域に愛されるような団体になっていきたい。FROM(フロム)には岩手出身のメンバーがいるので、その知識や地域愛を活動につなげていく」
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