「13年前から時止まる町」、福島県の現状伝える高校生新聞 古里を離れて暮らす避難者に新聞部員が取材報告
「13年前から時止まる町」。3月1日付の「崇徳学園新聞」には、そんな見出しの特集記事が走る。東日本大震災から13年になるのを前に、福島県の被災地を取材した広島市西区の崇徳高新聞部の生徒たちが9日、広島で暮らす震災避難者たちに取材で感じた思いを報告した。 【写真】被災地の現状を報告する崇徳高新聞部 西区三篠町の交流スペース「たねまく広場」に張り出した特集記事は、A3判、2ページにわたる。執筆したのは、1月下旬に福島県を訪れた同高新聞部1~3年の4人。双葉町や大熊町など、13年前から時が止まっているように手が付けられていない地区があることを伝えている。 東京電力福島第2原発(楢葉町、富岡町)の原子炉の建屋に防護服を着て入った様子も写真付きで紹介。津波で家族3人を亡くし、今も次女の遺骨を捜し続けている男性にも面会し、悔しい思いを聞いている。 震災で県内に避難した人たちでつくる「ひろしま避難者の会アスチカ」が部員10人を招いた。部長の2年梅次彩葉さん(17)は「復興が想像以上に進んでいない現状を、記事を通じて多くの人に伝えたい」と強調。2011年に浪江町から避難してきたアスチカ会員の渡部恵子さん(65)=広島県坂町=は「古里の光景や友人を思い出した。現状がよく分かっていい報告だった」と目を潤ませた。
中国新聞社