シーラッハ「GOTT 神」を石丸さち子演出で 橋爪功が弁護人、山路和弘が死を望む老人演じる
リーディングシアター「GOTT 神」が、10月11日から14日まで東京・パルテノン多摩 大ホールで上演される。 これは、ドイツの劇作家フェルディナント・フォン・シーラッハの戯曲「GOTT 神」を、石丸さち子の演出でリーディングシアターとして立ち上げるもの。作中では、自死を願う78歳の元建築家ゲルトナーを巡る物語が展開。愛妻を亡くし、生きる意味はないと考えるゲルトナーは、医師に薬剤を用いた自死の幇助を求める。そこで、ドイツの倫理委員会主催の討論会では、死を望むゲルトナーの意志を尊重し、致死薬を与えるべきか否かが話し合われることに。法学、医学、神学の各分野の参考人、ゲルトナーの主治医や弁護士が意見を述べ合い、活発な議論が展開されるが……。シーラッハの別作品で、裁判劇の「テロ」では、観客から有罪か無罪の投票を募ったが、今作でも1幕と2幕の間で観客による投票が行われる。 橋爪功がゲルトナーの弁護人ビーグラー役、山路和弘がゲルトナー役を演じる。そのほか、三浦涼介が倫理委員会の委員長、岡本圭人が若き倫理委員会委員、浅野雅博が神学の立場から死を語る司教、石井一彰が法律家の立場から死を顧みる参考人、玉置孝匡が眼科医、瑞木健太郎がドイツ連邦医師会の執行役を務める。 上演に向け、石丸は「死について語ることは、どう生きるかについて語ること。そして、他者の人生にどう向き合うかを語ること。劇場では、この公開討論を聞いた上で、実際にお客さまに意見の投票をしていただきます。橋爪功さんを中心に、今を生きる様々な年代の素晴らしい俳優陣と、この作品を読み解いていけることを、僥倖と感じています」とコメントした。チケットの一般販売は6月30日にスタート。 ■ 石丸さち子コメント 舞台は、独倫理委員会主催の会議の場。公開の討論会が行われます。 議題は、ゲルトナー氏の訴えに端を発します。妻を喪い、死を選びたい彼に、医師は致死量の薬品を処方できるか否か、処方すべきか否か。 討論しあうのは、医師、法学者、医師会役員、カトリック教会の司教、そして、ゲルトナーの弁護士、ビーグラー。 日本では「安楽死」と呼んで一様に語られることが多いのですが、この討論では、自殺幇助、嘱託殺人、延命措置の中止による消極的臨死介助、死に至る薬を処方する積極的臨死介助、と、高齢者の命の価値、と、様々な観点から語られていきます。 ……いかめしい漢字ばかり並んでしまいますが、どれもとても身近だと思えます。 スイスの臨死介助組織に、自らを託す方々のニュースを御覧になって皆様、どう感じられたでしょう? 自らの人生の幕引きを決定する自由意志、命の選択権は、誰にあるのでしょう? ここから、討論は、タイトルになる「神」の意志についてに移行していきます。 死について語ることは、どう生きるかについて語ること。 そして、他者の人生にどう向き合うかを語ること。 劇場では、この公開討論を聞いた上で、実際にお客さまに意見の投票をしていただきます。 橋爪功さんを中心に、今を生きる様々な年代の素晴らしい俳優陣と、この作品を読み解いていけることを、僥倖と感じています。 ■ リーディングシアター「GOTT 神」 2024年10月11日(金)~14日(月・祝) 東京都 パルテノン多摩 大ホール □ スタッフ 作:フェルディナント・フォン・シーラッハ 翻訳:酒寄進一(2023年 東京創元社「神」) 演出:石丸さち子 □ 出演 橋爪功 / 三浦涼介 / 岡本圭人 / 浅野雅博 / 石井一彰 / 玉置孝匡 / 瑞木健太郎 / 山路和弘