長打力不足の中で光った中日・細川成也の“24本塁打・78打点”
2年連続最下位に沈んだ中日は、チーム打率(.234)、得点(390)、本塁打(71)などほとんどの打撃成績がリーグ最下位のなかで、一際輝いたのが現役ドラフトで今季から加入した細川成也だ。 細川はオープン戦の打率こそ.200、1本塁打、1打点で、開幕一軍スタートも開幕戦、2戦目はベンチスタートだった。移籍後初出場となった4月1日の巨人戦、代打で移籍後初安打を放つと、翌2日の巨人戦に『6番・一塁』で移籍後初スタメン出場し1安打、1打点。 開幕直後はベンチを温める日も多かったが、4月11日の広島戦からスタメン出場の機会を増やし、同日の広島戦から4月20日のヤクルト戦にかけて7試合連続安打。4月を打率.303、8打点で終える。 5月に入ると、13日のヤクルト戦で移籍後初本塁打を放つと、16日のヤクルト戦から6月1日のソフトバンク戦にかけて14試合連続安打、5月は月間打率.360、5本塁打、17打点で自身初の月間MVPを受賞。 6月以降打率は落としたものの、6月も5月と同じ5本塁打、17打点、前半戦終了時点で打率.285、12本塁打、49打点で自身初のオールスターゲームにも出場を果たした。後半戦に入ってから安打が出ず苦しい時期もあったが、8月が5本塁打、15打点、9月が6本塁打、10打点と終わってみれば、打率.253、チームトップの24本塁打、78打点だった。 開幕前に4番候補として期待されたアキーノが結局1本塁打に終わり、細川が長打力を補った。 チームとして得点力不足、長打力不足をシーズン通して言われてきた中で、球団の選手で20本塁打以上放ったのは18年に26本塁打を放ったビシエド以来5年ぶり、球団の日本人選手では10年に37本塁打を放った和田一浩、22本塁打を放った森野将彦以来13年ぶり。70打点以上挙げた日本人選手も、16年に73打点を挙げた平田良介まで遡らなければならない。 広いバンテリンドームを本拠地にしていることもあり、日本人選手の大砲が生まれにくい環境の中で、現役ドラフトで中日にやってきた細川の『20本塁打以上、70打点以上』というのは相当価値がある。 夏場以降当たりが止まった時期が長かったというのは気になるところだが、今季をきっかけに来季も前半戦に見せた打撃を披露することができれば、長打力不足に喘ぐ打線の中で頼りになる存在になるだろう。 【直近10年のチーム最多本塁打と打点】 ▼ 直近10年の中日最多打点選手 14年:17本塁打 ル ナ 86打点 森野将彦 15年:13本塁打 平田良介 60打点 ルナ 16年:22本塁打 ビシエド 73打点 平田良介 17年:35本塁打 ゲレーロ 86打点 ゲレーロ 18年:26本塁打 ビシエド 99打点 ビシエド 19年:18本塁打 福田永将、ビシエド 93打点 ビシエド 20年:17本塁打 ビシエド 82打点 ビシエド 21年:17本塁打 ビシエド 70打点 ビシエド 22年:14本塁打 ビシエド 63打点 ビシエド 23年:24本塁打 細川成也 78打点 細川成也
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