「オオタニは物語のようだ」世界一ドジャースの“批判された監督”ロバーツ52歳の素顔「通算243盗塁にガン克服」大谷翔平との信頼構築法は?
大谷を「物語のような選手」と
<名言2> 翔平はマイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズのような選手。物語のような選手だ。 (デーブ・ロバーツ/NumberWeb 2024年7月19日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/862228 ◇解説◇ ロバーツ監督は時に大谷の打撃や走塁について“苦言”と取れるような発言があったことが大きく取りざたされたが……大谷に対する信頼が厚いことは、ベンチでの振る舞いを見ればよく分かる。例えば7月2日のダイヤモンドバックス戦でのこと。この日は7回に大谷が逆転27号2ランを放ち、ドジャースも最終的に6-5で勝利した。 長年にわたって大谷の番記者を務める柳原直之記者の取材によると、ロバーツ監督は「何かが起きるだろうと期待すると、必ず起こる」と語るとともに、アメリカスポーツ界が誇るスーパースターを引き合いに出した。 そのほかにもシーズン序盤に大谷から移籍後第1号ホームランが出なかった頃、指揮官との会話によって、背番号17の心を軽くしようと働きかけてもいたそうだ。そのエピソードからもロバーツ監督が信頼関係を構築することに粉骨砕身していたことが分かる。
ポストシーズンで勝てなかったゆえの批判
<名言3> 彼らがすばらしい仕事をして、我々を破ったということだ。 (デーブ・ロバーツ/Number1039号 2021年11月4日発売) ◇解説◇ 2024年のワールドシリーズ王者となったドジャースはここ十数年、ナ・リーグ西地区で圧倒的な成績を残してきた。それは2016年のロバーツ監督就任後もしかりだ。ただしその強さが“レギュラーシーズン限定”にとどまったことも、事実である。 《ドジャース:2016年以降のレギュラーシーズン順位とポストシーズン成績》 ※WS=ワールドシリーズ、NLCS=リーグ優勝決定シリーズ、NLDS=地区シリーズ 16年:1位/NLCS敗退 17年:1位/WS敗退 18年:1位/WS敗退 19年:1位/NLDS敗退 20年:1位/WS優勝 21年:2位/NLCS敗退 22年:1位/NLDS敗退 23年:1位/NLDS敗退 24年:1位/WS優勝 ダルビッシュ有と前田健太が所属した2017年は、後に対戦相手のアストロズにサイン盗みの不正があったと発覚するが――これまでのワールドシリーズ制覇は短縮シーズンだった2020年のみ。18年、21年はベッツ、フリーマンがそれぞれ在籍していたレッドソックス、ブレーブスの軍門に下った。 冒頭の言葉は21年、WS連覇を期待される中で敗れ去った際のもの。主力の度重なる負傷で緊急補強を図ったものの、シーズン終盤でカーショーやマンシーらも戦線離脱を強いられ、ブレーブスとの第6戦ではこの年16勝を挙げたビューラーが打ち込まれて敗退。「現在の登録選手でもシリーズを勝てると思っていたし、10月を戦い抜く準備はできていた」と指揮官は総括するほかなかった。 さらに直近2年はパドレス、ダイヤモンドバックスと同地区のライバル相手に2年連続で地区シリーズで敗退したこともあって、メディアの批判は厳しくなっていたという。 来季以降の契約などもかまびすしい中で迎えた2024年、ロバーツ監督はフラハティ、山本、ビューラーと先発投手陣が3枚しかいない中、ブルペンデーも駆使してポストシーズンを戦った。そしてWS第5戦ではクローザー的役割を担っていたトライネンを早めにつぎ込み、9回のマウンドを本来先発のビューラーに預けた。
多くの人は“ウチはダメだ”と言ったが
〈多くの人は“ウチはダメだ”と言ったが……このステージにいない多くの人々も我々に貢献した。その結果のワールドチャンピオンだ〉 ワールドシリーズ制覇後、表彰式で現地テレビ局のインタビューに対して興奮気味にまくしたてたロバーツ監督だが……「MVPトリオ」を筆頭にしたドジャースが世界一を手にするため、“素晴らしい仕事をする”という執念が実っての栄光なのは間違いない。 〈大谷・由伸とドジャース特集:つづく〉
(「スポーツ名言セレクション」NumberWeb編集部 = 文)
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