中国スマホが“とある場所”で「消しゴムマジック」を使えないワケ 実際に検証してみた
ある意味地域に根ざしたローカライズ 中国メーカーでも他国向け機種は問題なく動作
中国のインターネットは各種検閲、情報統制などの関係で、先進国ながら「インターネットの自由度が低い」と評価されている。もちろん、このような国で販売されるスマートフォンはその影響を大きく受け、生成AIを用いる画像編集にも影響を及ぼしている。ある意味、地域に根差したローカライズと評価できる。 また、今回試したメーカーのスマートフォンでも中国本土地域以外で販売される機種については、このような場所でも問題なく利用できる。今回紹介した例はあくまで「中国国内向けに販売される機種に限る」点は留意していただきたい。 これは中国で販売されている機種とそれ以外の地域向けでは搭載されているソフトウェアが異なる事が理由だ。Huaweiやvivoは搭載されるソフトウェアが中国向けとそれ以外の地域では名称や仕様が異なり、Xiaomiも中国向けと日本を含めたグローバル向けでは異なるソフトウェアが採用されている。地域ごとに明確に分けられているのだ。 その一方で、各種処理を行うサーバが中国国内にある場合は、表現にある程度制約がかかる可能性は否定できない。多くの場合、中国の検閲に意図的に引っ掛かるような画像のAI編集をしなければ、この表示にはたどり着かないので安心してほしい。 強いて一般の利用者が気になるとすれば、今回のような天安門広場といった観光地で撮影した写真を編集する際に制約があるといったところになりそうだ。 地域が変われば事情も変わる。それは地域に根ざしたスマートフォンでも例外ではない。今回の生成AIを用いた編集の可否は「ある種の中国向けローカライズ」を体験することができた。繰り返しになるが、中国メーカーの機種でも日本を含めた中国大陸以外の地域で販売されている機種ではこのような挙動はしないため、安心して生成AIを用いた機能を利用してほしい。
著者プロフィール
佐藤颯 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。 ・X:https://twitter.com/Hayaponlog ・Webサイト:https://www.hayaponlog.site/
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