小松礼雄代表率いるハースF1、レッドブルのペレスを抑えるなど大量12ポイント獲得「抑え込める自信はなかったけど、戦う価値はあった」
F1オーストリアGPでハース勢はダブル入賞を達成。合計12ポイントを稼いだ。この結果について同チームの小松礼雄代表は、ライバルとの差を縮められていることを、しっかりと成績で示すことができたと語るとともに、レッドブルのセルジオ・ペレスを抑え込んだことについて「戦う価値はあった」と誇った。 【動画】フェルスタッペンとノリス、優勝争った2台がまさかの接触|F1オーストリアGP決勝 オーストリアGPが始まる前の時点で、ハースの今季の獲得ポイントは7点だった。しかしレッドブルリンクでニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンが躍動。ヒュルケンベルグはレッドブルのセルジオ・ペレスを抑え切って6位、マグヌッセンはRBのダニエル・リカルドを抑え切って8位に入り、12ポイントを獲得した。 この結果について小松代表は、無得点に終わった前戦スペインGPでも、実は優れたパフォーマンスを発揮していたと語った。 「バルセロナではポイントを獲得できなかったけど、ペースは良かったんですよ」 そう小松代表は語った。 「我々よりも速いチームは5チームだけですから、その全員が完走したので11位が精一杯でした。でも最速のマシンと我々のペースを比較すると、今までで最も近いモノだったんです。つまりバルセロナの時点で、今年やってきたこと、つまりマシンのパフォーマンスを高めることができたということが証明されました」 「昨日(土曜日)のスプリントでも、ケビンが高い競争力を発揮してくれました。そしてスプリントでは、8位までしかポイントを獲得できません。そして今日、ポイントという点でその進歩を実際に示すことができたのは、素晴らしいことでした」 そのパフォーマンス向上は、エミリア・ロマーニャGPで投入されたアップデートが効果を発揮したモノなのか? そう尋ねられた小松代表は、次のように明かした。 「まだまだですよ」 「イモラの後、モナコとモントリオール(カナダ)は特殊なサーキットでした。ですから、マシンの本当のポテンシャルを理解することができなかったんです」 「バルセロナでは、自分たちの立ち位置が実際どこなのか、それを確認するのをとても楽しみにしていたんです。でも11位で、当時は本当にイライラしました。でも、実際のペースに関しては、かなり励みになったと思います」 そして小松代表は、好結果を手にしたふたりのドライバーを称賛。パフォーマンスの面で圧倒的に優れるはずのレッドブルを、リスクを冒さないように先行させるという選択肢もあったのではないかと尋ねられると、次のように説明した。 「そんな必要はまったくありませんでした」 「最初のスティントの最後の方のラップタイムを見ると、ニコとペレスのペースが分かります。もちろんペレスの方が速かったですが、かなり似たペースだったんです」 「我々が先にピットストップしたので、ペレスに先行することになりました。彼が抜いていった第2スティントのことは、考えなくていいと思います」 「最後のスティントは、スプリントでも同じような傾向にありました。スプリントの3/4くらいは、ケビンのペースがペレスのペースと同じくらいだったんです。だから、彼にポジションを譲る必要はないと分かっていました」 「でも、最後まで抑え込めると、完全に信じていたかというと、そうではなかったんです。でも、戦う価値はありました。ニコは素晴らしい仕事をしてくれました。あ、悪口を言っているわけではないですよ」 今回のレースの結果、ハースの今季の獲得ポイントは19となり、コンストラクターズランキング6番手のRBとの差は11ポイントとなった。小松代表は、逆転できる可能性は十分にあると語った。 「少なくとも僕たちは、19ポイントを獲得しました。対する彼ら(RB)は30ポイント、11ポイント差です」 「何が起きてもおかしくないと思いますよ」
田中健一, Oleg Karpov