3期目満了まで1年を切った久元喜造・神戸市長に聞く…三宮再整備や郊外駅前リニューアル推進、斎藤知事とは「胸襟を開いて協議できれば」
3期目の任期満了(来年11月19日)まで残り1年を切った神戸市の久元喜造市長が20日、読売新聞のインタビューに応じた。「都心・三宮再整備」や郊外の駅前の再開発が着々と進んでいることを強調。他都市と連携しながら、人口減少社会にふさわしい政策を提示していく必要性も語った。(聞き手・伊藤大輔、高田果歩)
――3期目の3年間を振り返って。
神戸の街並みが変わりつつある。市長に就任した2013年、三宮駅周辺は阪神大震災からの復興はできていたが、新しい街づくりまではできていなかった。
1期目の公約で三宮の再整備を掲げてから計画を進め、バスターミナルが入るビルや市役所2号館、JR三ノ宮新駅ビルが順次完成、開業を予定している。同時にこれまでなかなか手をつけられていなかった郊外の拠点駅の駅前のリニューアルも着実に 進捗している。
――市が抱える課題は。
人口減少社会にあって、大都市自治体としてその一翼をどう担っていくのか。残念ながら人口の奪い合いをする発想が根強い。神戸市はそういう立場に立たず、他の自治体と連携しながら、人口減少社会にふさわしい政策を提示していきたい。
――17日投開票の兵庫県知事選では、斎藤元彦知事が再選した。今後の県市連携のあり方は。
斎藤知事とは3年間、一緒に仕事をしてきた。今まで通り県政との連携協力を進め、胸襟を開いて協議ができればと思っている。特に選挙戦の争点のひとつになった県庁の再整備は、元町駅周辺の街づくりと密接に関わる。できるだけ早く県としての考え方を明らかにし、神戸市も入って協議を進められれば。
――阪神大震災から来年1月で30年。どのようにレガシーを残していくか。
当時の記憶をあらためて確認し、経験や教訓を継承していく。同じ問題意識を持った海外の都市の代表を招き、議論するカンファレンスを開催したい。各地で大災害が相次いでいる。これまでの常識が通用しない段階にきており、より一層の科学的知見に基づく想像力が求められている。
阪神大震災では内外から支援いただいた。感謝の気持ちを忘れず、他の地域への貢献のありようを考える都市になればと思う。
――4期目への意欲は。
今は、目の前の課題や解決の方向性を見いだしていくために、自分の能力とエネルギーを使いたい。