五味原領と川中健介、金メダルにもっとも近い男たちが日本選手団に勢いをもたらすか?【IFBB世界選手権初日プレビュー】
また、メンズフィジーク勢も初日に登場する。 この競技においては、昨年の世界選手権で田村宜丈がマスターズクラスでオーバーオール優勝、浦川天聖(今大会には出場せず)がジュニア174cm以下級で優勝と、年齢別カテゴリーでは実績を残してきた。一方で、身長別の一般カテゴリーではやや苦戦を強いられており、田村が170cm以下級で3位に食い込んだのが最高成績であった。 そのような中で、並々ならぬ思いで臨むのは国内3連覇中の王者・伊吹主税だろう。10月のフィットネス・グランドチャンピオンシップス後には、以下のようなコメントを残している。 「(2023年は)メンズフィジークの審査基準が見直される中で、トレーニーの誰もが抱く『大きくなりたい』という気持ちを抑えながら、前年から1kg落としたところで仕上げました。でも、サイズを落として国内の大会を戦ったのに、その身体でIFBB世界選手権に出場したところ、連盟の方には『サイズを大きくしたほうがいい』と言われました。なので、今年の日本の基準も少しサイズアップしていくのかなと。実際に地方大会とかを見ていてもそういう傾向を感じていたので、これは『自分の好きなフィジークで戦って大丈夫』だと思い、トレーニングを全開放してサイズアップに取り組んできました」 昨年は世界大会6位と評価が伸びきらなかったが、今年は世界基準を見据えて仕上げた身体をステージで披露してくれるのは間違いない。念願のメダルを持ち帰れるか。 さらに、より筋量が求められるメンズフィジークとして盛り上がりを見せるマスキュラーフィジークには岩田卓磨と直野賀優の2人が参戦。特に直野は、もともとメンズフィジークで実績を残してきたが、評価基準見直しを受けて、バルキーなボディを生かすべくカテゴリー転向を決断。それが功を奏し、マスキュラーフィジーク日本一を成し遂げた。「やっと見つけた居場所」で、どれだけ世界の中で評価されるのか楽しみにしたい。