【冷やしたぬきそば】突然の衝動に突き動かされて作った、真夏の"立ち食いそば風"冷やしたぬきそば:パリッコ『今週のハマりメシ』第146回
さて、いよいよ作っていこう。そばを流水で洗い、めんつゆをかけつゆの濃度に希釈してぶっかける。つゆは我が家の定番、キッコーマンの「濃いだし 本つゆ」。 続いてその上に、たっぷりの揚げ玉。ここでひとつ、お得情報を書いておくと、市販の揚げ玉はどうしても、そば屋のものとは食感が異なる。そこで、買ってきたら袋の上から手で揉んだり叩いたりして、よく崩してやる。すると、きめ細かさとサクサク食感がアップし、そば屋の味わいに近づくのだ。と、僕が勝手に編み出し、勝手にそう思い込んでいるだけの技なんだけど。 さて、最後に用意した食材を盛りつければ完成。食べたいと思ってから、ずいぶんと時間がかかってしまったな......。 もはやこの達成感と、完成したそばをつまみに一杯やってしまいたい気分。けれども、今日はこのあとまだいくつか原稿を書かないといけず(今読んでいただいているこれもそのひとつだったりする)、晩酌まではノンアルコールビールで我慢しておこう。 は~、これこれ。そばの香りがすごく強いわけでも、のどごしや歯ごたえがものすごくいいわけでもない、ゆでおき麺。失礼なようだけど、そこがいい。このタイプのそばでしか満たせない満足感が、確かにある。 もくもくもくとよく噛んでいると甘みが出てきて、ザクザクの揚げ玉のアクセントが極上だ。具材もどれもいいけれど、特に入れて正解だったのはわかめかな。そばと揚げ玉に絶妙な潤いを与えてくれる。 温かいそばだと揚げ玉はほぼ一瞬でもろもろになってしまうけれど、冷やしはそれがゆるやかなのもいい。下にたまったつゆを吸い、徐々にしっとりとしだし、その食感も、そこに至る変化の経過も、全てが冷やしたぬきそばの醍醐味だ。 結果的に突然冷やしたぬきそば欲を満たせて大満足だったけど、コンビニやスーパーマーケットのみなさんには是非お願いしたい。冷やしたぬきそばと冷やしたぬきうどん、なるべく平等に扱ってくださいませんか! と。 取材・文・撮影/パリッコ
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