「痔」の治療法はご存じですか? 痔の種類や切らない方法も医師が解説!
切らない治療法「ALTA療法」について知りたい! メリット・デメリットや費用は?
編集部: ALTA療法について、もう少し詳しく教えてください。 白畑先生: ALTA療法はメスで内痔核を切ることなく、「硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸」を痔核内に注射することで固めて小さくし、脱出と出血症状を改善します。硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸の英名が、「ALTA(ALuminum potassium sulfate hydrate・Tannic Acid)」です。 編集部: どのようなメリットがあるのでしょうか? 白畑先生: 一般的に、結紮切除術や併用療法と比べると、痛みや出血が少なく、治療期間も圧倒的に短いため、身体的・精神的負担が大幅に軽減されます。また、短期の入院で治療が可能で、施設によっては日帰り治療も可能です。 編集部: では逆に、注意しなければならない点は? 白畑先生: 結紮切除術と比べて再発率がやや高いことや、ほとんどの外痔核には効果がなく、全てのいぼ痔に向いているわけではない点です。また、ALTAを患部に注射する手技は難度が高く、技術や知識のある医師でないと治療が困難です。どの医療機関でも気軽に受けられる治療ではない点には注意していただきたいです。 編集部: 費用についても気になります。 白畑先生: 保険適用の場合、3割負担だと約2万5000円、1割負担だと約8000円です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 白畑先生: 痔の治療は、その種類や場所などによっていくつかの選択肢があります。先述したとおり、例えばいぼ痔であれば、外痔には切除術、内痔にはALTA療法が選択されます。しかし、これが絶対というわけではありません。痛みが苦手、時間がない、再発したくないなど、人によって優先したいものが異なると思います。当院も、それぞれの状況が異なる患者さんの希望や状態をみて、一人ひとりに適した医療を提供しています。「とにかく再発したくない」「手術は怖いから注射だけで治せませんか?」など、どんなことでも遠慮せず、まずは医師に相談してみましょう。