海外メディアはカタールのアジア杯初Vを帰化選手資格違反騒動に関連づけて報道「スポーツ仲裁裁判所に訴えるかも」
サッカーのアジアカップは、カタールが日本を3-1で下して初の王者に輝いた。決勝戦前にUAEサッカー協会が、カタールのエースのアルモエズ・アリとバッサム・アルラウィの帰化選手2人の出場資格がないと訴えた騒動があり、試合直前にAFC(アジアサッカー連盟)が正式にその訴えを棄却していたが、海外メディアは、この問題と関連づけて報道するところが少なくなかった。 米国のFOXニュースは、「カタールが出場資格選手に関するUAEからの非難にもかかわらずアジアカップを制す」との見出しを取り、「3年後にワールドカップを主催する潤沢な石油の首長国(のカタール)は、UAEによる準決勝に出場した2選手に代表の資格がないとする非難にも関わらずAFCから“決勝でのプレーに問題がない”と判断された数時間後にアジア地域、最大の大会でトロフィーを掲げた」と騒動と絡めて報道した。 同記事は、AFCによりUAEの抗議は棄却されたが、「UAEサッカー連盟は、もしかしたらスポーツ仲裁裁判所に訴えることができる。だが、訴えた場合、スイスでの手続きには解決まで何か月も要すことになりそうだ」と説明。さらに2010年12月に2022年のワールドカップ開催が決定して以来、カタールは(ワールドカップで)戦えるチームを築くために選手の発掘を試みてきたが、過去にワールドカップ出場経験がなく、FIFAランキングはこの10年で78位から112位の間で低迷していることと、サウジアラビアとUAEが、18か月前に、カタールに対する外交、経済におけるボイコットを主張したという政治的な背景を説明。その上で「FIFAは、2022年ワールドカップを48か国開催に拡大することを検討していた。この計画は、カタールのスタジアム8つとその他の施設では更なるチーム(受け入れ)と試合をこなすことはできない可能性があり、中東近隣国と共催することに合意するように要求することになるかもしれない」と、2002年の日韓共催のようにカタールワールドカップが、中東共催になる可能性があることを示唆した。 また記事は、「金曜日の決勝の場にいたFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は地域の平和に貢献する考えとして48カ国開催を推し進めている。この是非は3月14日、15日にマイアミで行われるFIFA理事会で決定されるかもしれない」と報じた。 米国のCNNは、「カタールが日本を仰天させてアジアカップ制覇」との見出しを取って報道。「サッカー以上に地域の地理的問題が取りざたされた大会で、カタールはアルモエズ・アリ、アブデルアジズ・ハティム、アクラム・アフィフのゴールで最も甘い勝利を確定させた」と伝えた。同記事は、「タイトルを獲得することは期待されていなかったもしれないが、2017年6月にサウジアラビア、バーレーン、エジプトとともにカタールとの断交に加わったUAEの地で優勝を成し遂げることはドーハの人々にとって満足以上のものを感じるだろう」と、政治的な背景と、この優勝を関連づけた。 記事は、カタールと近隣諸国との政治的な関係に触れながら、「UAEサッカー協会がカタールの帰化2選手の代表資格に対する正式な申し立てを行ったことが明らかとなったときも、その主張がAFCにより棄却されたときも、カタールは動じる様子はなかった」とも伝えた。