偽札を作らせない技術は圧巻、驚くべき精緻さで描かれた上田城と枝垂桜 国立印刷局工芸官の彫刻画を贈呈
国立印刷局(東京)の工芸官と呼ばれる職員が上田市内の景色をモチーフに制作した「凹版彫刻画」作品の同市への贈呈式が、上田市立美術館であった。「上田城と枝垂(しだれ)桜」と「唐沢の滝」の2点で、同館で開催した第48回全国大学版画展に合わせて制作。紙幣の偽造防止技術を支える凹版彫刻技術で描いた緻密な表現が特徴だ。 【写真を拡大】紙幣偽造防止を支える凹版彫刻技術で描かれた「上田城と枝垂桜」
学生時代に同展で優秀賞を受賞した工芸官2人が制作を担当。「ビュラン」と呼ばれる特殊な彫刻刀で銅板を彫って2作品を作った。「上田城と枝垂桜」は縦約10センチ、約横15センチ、「唐沢の滝」は縦約17センチ、横約12センチ。5月と6月にそれぞれのモチーフとした場所を訪れて取材した。5カ月ほどかけて完成させたという。
国立印刷局の大津俊哉理事長は贈呈式で「上田市民の皆さまが上田市の景観に誇りを持ち、楽しんでいただくことでさらなる地域の活性化につながれば」とあいさつ。土屋陽一市長は「大変貴重な作品をいただいてありがたい」と感謝した。彫刻画は来年1月から1カ月ほど、市役所内に展示する予定だ。