封鎖の「ガザ地区」から日本人ら退避 難民キャンプ連日空爆…「虐殺だ」 イスラエル軍の侵攻拡大
「ハマス」による攻撃が発生してから3週間以上がたちましたが、封鎖されていたパレスチナ自治区「ガザ地区」から、日本人を含む外国籍の人らの退避が実現しました。イスラエル軍は連日、難民キャンプを空爆していて、非難の声が強まっています。 ◇ 1日、パレスチナ自治区「ガザ地区」と、エジプトとの境界にあるラファ検問所には、多くの人が…。外国人や重傷者の「ガザ地区」からの退避が認められたのです。先月のイスラム組織「ハマス」の奇襲攻撃をきっかけにした武力衝突が始まって以来、退避が認められるのは初めてのことです。 エジプト側では、日の丸を持った人々がいました。アラビア語で「日本大使館」と書かれています。外務省によると、退避を希望していた全ての日本人10人と、そのパレスチナ人家族8人の、あわせて18人がエジプト側に退避しました。その中には、これまで私たちの取材に応じ、ガザ地区内の様子を伝えてくれた「国境なき医師団」の白根麻衣子さんも含まれているということです。 ガザ地区の当局は、引き続き2日も外国籍の人らの退避が認められるとしています。 ◇ しかし、外国籍を持たない住民は、ガザ地区に閉じ込められたまま、日々、犠牲者が増え続けているのです。 1日、サイレンが鳴り響く中、けが人が次々に運ばれていきました。ガザ地区最大とされる“ジャバリア難民キャンプ”が、2日連続で、イスラエル軍の空爆を受けたのです。 「モスクで祈っていたら、爆発が聞こえたんだ。全てなくなってしまった。これは虐殺だ」 ロイター通信は「ハマス」側の発表として、難民キャンプへの一連の空爆で、少なくとも195人が死亡したと伝えています。 イスラエル側は“ハマスの拠点を攻撃した”としていて、「ハマス側は民間の建物の中や地下などに意図的に拠点を作り、市民を危険にさらしている」と主張しています。(※ロイター通信による) ◇ 「ハマス」側も徹底抗戦の構えを崩していません。1日に公開した映像には、対戦車ロケット弾のようなものが…。“イスラエル軍の戦車を破壊した”と主張しています。 別の、ドローンで撮影したとみられる映像には、イスラエル軍とみられる戦車や兵士の姿が。すると…爆弾を投下しました。この映像について「ハマス」は、ガザ地区北東のベイトハヌーン近郊で撮影したとしています。 ◇ アメリカの政策研究機関「戦争研究所」の1日の分析では、イスラエル軍は“ガザ市”を取り囲むように複数方向から進軍していて、3か所で激しい戦闘が起きているとされています。 イスラエル軍は1日、「ガザ市の入り口まで進んだ」と発表していて、市街戦の激化で、民間人の犠牲がさらに拡大することが懸念されています。