娘役転落死の宝塚歌劇宙組が6月に公演再開が決定…演目を変更してショーのみ1本立てで
宝塚歌劇団は13日、宙組が「Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-」(作&演出・齋藤吉正、兵庫・宝塚大劇場=6月20~30日、東京宝塚劇場=7月20日~8月25日)で約9か月ぶりに再始動すると発表した。ショーのみの特別公演となる。 ホームページでは「十分な準備期間を確保し公演の万全を期すため、ショーのみの開催となること、ご容赦、ご斟酌(しんしゃく)賜れれば幸いです」と説明した。 宙組では芹香斗亜(せりか・とあ)&春乃さくらの新トップコンビの本拠地お披露目公演初日の翌日だった昨年9月30日、2017年入団の娘役・Aさんが宝塚市内の自宅マンションから転落死した(享年25)。当日はAさんを「休演」と説明して上演したが、同10月1日以来、宙組は一切の公演を行っていなかった。 元々、歌劇団では今年の創立110周年を記念して、宙組で本拠地・宝塚で5月17日~6月23日、東京では7月13日~8月25日に和物ショー「宝塚歌劇百十周年紀念奉舞『宝塚110年の恋のうた』」と大人気RPGを題材にした舞台のタカラヅカ版「FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)」の上演を昨年7月に発表していた。 しかし、Aさんの死後、歌劇団の過剰労働や上級生のいじめ・ハラスメントを訴える遺族側と合意に向けての話し合いが続き、また、「ファイナル―」は企業とのコラボ企画ということもあり、今年3月5日に両演目の見送りを発表。公式ホームページでは「公演初日を変更させていただきます」と、再開の意思は示していた。今回、ショーオンリーの上演となり、宝塚大劇場では日程の大幅短縮となったが、次の雪組トップ・彩風咲奈のサヨナラ公演「ベルサイユのばら ~フェルゼン編~」の日程には影響せず。東京は開幕を1週間遅らせるにとどまる形に。 歌劇団と遺族側は3月28日に合意書の締結を発表。村上浩爾理事長は記者会見で宙組再開について「まだ心身に負担のあるメンバー、それでも公演をやりたいというメンバーもいるかもしれない。思いは様々だと思うが、できれば早い段階でご報告したい」と説明していたが、遺族側代理人の会見では、Aさんの親族に謝罪の手紙を提出していない宙組生が複数いることが判明し、疑問視された。 また、Aさんの同期と3期後輩の娘役計2人が同31日に電撃退団。今月11日発売の「週刊新潮」では同日に村上理事長が宙組生を集めて説明会を行い、劇団側への不満・不安を漏らす生徒の声があったと報道した。 歌劇団の公式ホームページによると宙組生は現在62人。事件前から体調不良を理由に休演している生徒もおり、どのような体制での上演再開となるか、注目される。
報知新聞社