利下げ開始で債券買いの「洪水」に、確証得るまでは慎重-PGIM
(ブルームバーグ): 世界の主要中央銀行が利下げを開始すれば、債券市場への回帰に慎重な投資家を後押しし、資金流入の「洪水」を引き起こすと、PGIMが予想した。
PGIMの最高執行責任者(COO)、タイムール・ヒャット氏によると、10年間ゼロに近い利回りが続いていたため、顧客は現金や短期投資に資金を蓄えていたが、債券に飛びつく準備ができている。利下げ観測が買いを誘う一方、金融緩和が実際に行われるまで手控える顧客が多いという。
ヒャット氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、投資家は「金利低下の具体的な証拠を望んでいる」と指摘。債券への資金流入は「すべての中銀が同じ方向を向いたとき、洪水に変わるだろう」と続けた。
年明けに利下げ観測が大きく後退し、米10年債利回りが20年ぶりの高水準である5%に近づいたため、投資家は債券に全面的に投資することに慎重になっている。
現在の市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が恐らく11月から0.25ポイント利下げを年内1、2回実施すると予想されている。金利スワップ市場の動向によれば、欧州中央銀行(ECB)は来月利下げを実施し、12月までにさらに1、2回実施するとみられている。イングランド銀行(英中銀、BOE)については、9月に1回目の利下げを実施すると予想されているが、年内に2回目が実施される可能性は低いとみられている。
ヒャット氏は米国で利下げが始まったとしても、そのペースは遅く、規模も小さくなるとの見通しから、投資適格級の短期債にとって絶好の買い場になるとの見解を示した。同氏の見通しは、FOMCの利下げ回数がECBやBOEよりも少ないとするパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の見解と一致している。
原題:Rate Cuts Will Trigger Flood of Bond Buying, PGIM Says(抜粋)
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Naomi Tajitsu, Francine Lacqua