G亀井の逆転サヨナラ3ランを呼んだロッテの3打席連続敬遠は正解だったのか
この試合を解説した評論家の里崎智也氏は、「思わず鳥肌が立った。野球の醍醐味を見せてもらった」とした上で、「ここまで2試合でマギーに打たれています。そのマギーの状態と、数試合の亀井のバッティング内容を考えると、3度でも、4度でも敬遠策をとるのは当然の策でしょう。しかも、いずれも得点圏に走者がいて一塁が空いている場面。逆に敬遠をしない方がなぜ? と批判を受けますよ。相手が嫌がること、成功したことは徹底してやり続けるのは戦術のセオリーですから」と、ロッテの3打席連続敬遠策を支持した。 16日の初戦でマギーは、シングルヒット1本を打てばサイクル安打達成となっていた大爆発で5打点。17日の第2戦も、勢いは止まらずに3安打2打点。一種のZONE状態に入っていた。 一方の亀井は、初戦は4タコ。第2戦はスタメンから外され、この日も守備からの途中出場だった。交流戦成績は、ここまで打率.200で打点ゼロ。ロッテのベンチが3度、マギーを敬遠して亀井との勝負を選んだのも無理はなかった。 しかも、ロッテにとって悪条件も重なった。想定外の延長に突入する展開で、ピッチャーは大嶺、土肥、宮崎の3人しか残っておらず、大嶺は、前のカードの横浜DeNA戦で連投、一日空けてまた連投と、疲労も蓄積していた。負けられない重圧から制球が狂い、最後は、挟み球が落ちなかった。 その失投を見逃さなかった亀井の集中力も素晴らしかったが、一度は、勝ち越したロッテの2ストライクからの柿沼のセーフティスクイズ戦術と言い、両チームは、智力の限りを尽くしすべてを出し切った。野球とは、そういう小さな偶然と必然が積み重なってドラマを生み出すものなのだろう。