【解説】実はプールでは熱中症に注意…理由と対策は 専門家「知らず知らずに進行していることがある」
KSB瀬戸内海放送
各地で猛烈な暑さが続く中、「熱中症」への対策についてお伝えします。夏休み中に親子連れでにぎわうテーマパークでは期間限定の対策が登場。屋外プールでもマニュアルのもと運営が行われています。 プールでの熱中症に注意が必要な理由を見る>>>>>
■テーマパークでは期間限定の「熱中症対策」 香川県丸亀市のレオマリゾートは30日、開園直後から多くの人でにぎわっていました。 来園者が口にしたのが……。 (来園者は―) 「めっちゃ暑いです。対策に(日傘を)。涼しいです、だいぶ」 「氷の(凍ってる)ものを。ちょっとしのげるかなと」 「子どもがいたら大変ですね」 「お家でクーラー(したい)」 「水分いっぱい持ってきてあと首につけるやつ」 「冷たいやつをつけてます」 レオマリゾートに近い綾川町の滝宮では、7月30日も最高気温が36.2℃と6日連続の猛暑日。屋外アトラクションが多いパークゾーンには危険な暑さに対応するため、期間限定の新たなアトラクションが登場しました。 (松木梨菜リポート) 「それがこちらのウォータースライダーです。高さ10mのところから滑り降りるものです」 (レオマリゾート/佐竹千明さん) 「かなり気温も高くなりますので、水のあるスライダーを設置させていただいて、涼しく過ごしていただければと思います」 このスライダーの導入で、体感温度が数℃ほど変わるのではないかということです。 レジャープール施設「レオマウォーターランド」とは別で、水着を持参すれば追加料金なしでパークエリアの入園料のみで楽しむことができます。 (体験した人は―) 「濡れたまま園も回れるから涼しいし熱中症対策にはいいと思います」 「めっちゃ暑いけど濡れたから全然暑くない」 ■小学校のプール開放では「マニュアル」を作成 一方…… (呼び掛け) 「水分補給としっかり休んで、熱中症対策をよろしくお願いします」 夏休み期間中、小学校に通う児童などがプールを使えるようにする「プール開放」。7月25日、高松市の太田小学校のプールには約40人が訪れていました。 (児童) 「気持ちいい」 「(Q.何して遊ぶ?)ボール遊び」 太田小学校のプール開放はPTAが主体となって初めて行われました。 (松木梨菜リポート) 「プールサイドには保護者が立って、児童に異変がないかを監視しています」 子どもたちの安全を確保するためPTAは「実施マニュアル」を作りました。 (保護者) 「休憩するよ、休憩」 マニュアルでは30分ごとに5分間の休憩を取ることを定め、保護者が児童の顔色を見たり水分補給するよう声を掛けたりしていました。 (太田小学校PTA本部役員/堀田彩乃さん) 「陰に入ってもらって休憩を取らせていただきます。(保護者から)心配だという声もあって、中止の規定を作らせてもらって、あまりにも暑くなったら『すみません中止で』って形で」 中止の基準は ・気温が35℃を超えたとき ・暑さ指数が31以上 ・水温と気温を足して65℃以上のとき としています。 (太田小学校PTA本部役員/堀田彩乃さん) 「水の中にいるから子どもたちの体感としても涼しいっていうのがあるので、ルールを徹底して守ってやっていけたらと思います」 ■「プールでも熱中症に注意」 プールは冷たい水に浸かっているので熱中症になりにくいと思ってしまいますが、実は「熱中症」に注意が必要なんです。香川県立中央病院救命救急センターの佐々木センター長に、その理由を聞きました。 まず、冷たい水に浸かっていると暑さを感じにくいこと。そして、プールの中では水分をとれないので知らない間に脱水症状が進んでしまうんです。 また通常は汗の水分が蒸発するときに熱が奪われる、気化熱で体温を下げていますが、水の中だと汗をかいても気化熱が作用せず、体温が下がりにくいということです。 さらに、屋外プールだと直射日光が頭に当たります。そして、佐々木センター長は「特に子どもは大人よりも熱中症になりやすい」と指摘します。 (香川県立中央病院 救命救急センター/佐々木和浩 センター長) 「子どもさんの年齢にもよると思うんですけど症状に気付きにくいとか、うまく大人に伝えられない、体がだるいとかめまいがするとか。知らず知らずに進行していることがあるんじゃないかと思いますね」 子どもは体温を調整する能力が未発達なため、注意が必要だといいます。 分かりにくい子どもの熱中症。大人はどんな状況で「危険」を感じればよいのでしょうか。 (香川県立中央病院 救命救急センター/佐々木和浩 センター長) 「水の中にいるのにすごく汗を顔にかいてるとか、意識がぼーっとする、もうろうとしているとか。(Q.対策は?)涼しくて風通しの良いところに連れて行って、冷たいもので首だとか脇の下とか冷やしてあげて、経口補水液だとかそういったものを冷たいものを飲ませてあげると」 佐々木センター長は水分をとれないぐらいぐったりとしている場合は病院に連れて行くか、すぐに救急車を呼んでほしいと話しています。こまめに休憩をして、のどの渇きを感じる前に水分をとるなどしてプールを楽しんでください。
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