ショウガ残渣、防災用品向けで新提案 坂田信夫商店
坂田信夫商店(高知県香美市)は、ショウガの残渣が防災用品である簡易トイレ用の木質凝固剤として採用された。今後、介護やペットケア向けの消臭訴求品なども視野に、SDGsに合致する新たな提案を強化していく。 同社は、ショウガ生産日本一の高知県で、圃場シェア4割超を占める国産ショウガ供給のパイオニア。スーパーや外食など国内で流通する国産生鮮ショウガの大半は同社供給によるもの。 強みである農業を生かして新たな事業展開を模索する中、南海トラフ地震発生の際の災害対策として、地元企業と共同で、高知県産素材を活用した防災用品の開発に着手。高知県産ヒノキの木質ペレットを主原料に、県産の石灰と、同社の年間約1000t規模となるショウガ残渣とを組み合わせ、抗菌・消臭効果の高い簡易トイレ用木質凝固剤を開発した。 1回につき、手の平ほどの量で、ショウガ残渣に含まれるショウガオールやジンゲロンによるマスキング効果とともに、ヒノキの木粉の消臭効果が期待できるという。水洗トイレでの利用はもとより、焼却や覆土による処分が可能。 「従来なら廃棄される未利用資源の新たな有効活用で、今後、防災用品やペットケア用品、介護関連用品など、SDGsに合致する新規展開を推進していく」(代表取締役社長・水田晶容氏)としている。